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生き抜け!!サバイバルあってのスローライフです!  作者: 櫻庭 明日香
エピソード1
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エピソード1-㊺

母のお気に入り、イグリス爺さん登場w

そして今回のお話は母一押しのお話ですw


 突然のイグリスの登場に、ルルとタッキーはちょっとびっくりしたが(そういえば、この村に来てたんだっけ)と思い出した。


「もしかしてこの依頼って、イグリスさんが出したの?」

 と、ルルが尋ねる。ハアハアしながら顔を上げるイグリス。目の前にルルとタッキーがいることに漸く気付き、驚いた。


「えっ!?アカラカを採取したのってお前さん達か!?じゃがFランクじゃなかったかの!?」

 イグリスは(自分はまだボケとらんはず…)と思いながらルルに尋ねる。

「昨日Eランクに上がりました!」

 とルルが元気に答える。


「えええ!?そうか、そうなのか!!いやあ、すごいのう~~。でも助かったわい。このままずっとアカラカが手に入らなんだら、沢山の人々が苦しむことになっとったじゃろう…。ありがとう、ありがとうよ…」

 イグリスはルルの手とタッキーの手(?)を握りしめて涙ぐんでいる。そして二人を両手で抱きしめ…るふりをして、二人にそっと耳打ちした。


「のう…明日もアカラカの採取を頼めるかのう?量は今日の半分位で良いから、ワシに直接売ってくれんか?ギルドの買取価格の1.5倍出すぞい?」

 …さすがというかなんというか…相変わらず商魂たくましい人である。ルルは『ちょっと涙出かかったのに…感動を返せ』という気持ちになると同時に『そうだった、イグリスはこういう人物だった』と、改めて認識させられた。

 そしてタッキーはすかさず「3倍でお願いしたいですね」とイグリスに価格交渉をしだす。

 イグリスは少し顔をしかめ

「そりゃちょっと高すぎじゃ」


「ポンの実の時は10倍だったじゃないですか!」


 タッキーに痛い所を突かれてウッ…となるイグリス。

「いや、あれは貴族用だから吹っ掛けて売れたんじゃよ。この薬草から作る薬は庶民も使うものじゃから、あまり高くはできんのじゃ。…2倍でどうかの?」


「…2.5倍で!」

 タッキーも商売の駆け引きを覚えてきた。


「ううむ…」

 タッキーの提示した交渉額に唸るイグリス。

 二人のやり取りを聞いていたルルは間に入って

「お薬なんだから、無茶言っちゃだめよタッキー。イグリスさん、2.3倍でどうですか?」

 と、しれっと価格交渉に混ざっていく。ルルもちょっとしたたかになっている。


(む、タッキーを止めるだけかと思いきや、混ざりに来たか…。成長したのう、お嬢ちゃん…)

 と、ルルの成長を感じ感動するイグリス。

「いいじゃろう…2.3倍で手を打とう」


 その言葉を聞いたルルとタッキーはイグリスに向かってにっこり笑って

「「交渉成立ですね!ありがとうございます!」」

 と、息ぴったりに言う。


(短い間に商売上手になりおって…。まったく、これからが楽しみで仕方ないのう…)

 と、イグリスはふーっと息を吐き、謎の達成感と充実感を感動を味わっていた。



 そうしてルルとタッキーは残り2日を採取と狩りで過ごし、約束の一週間になった。

きっとギルド内でこの3人の周りだけ謎のカオス空間が広がっていたに違いないw

お読みいただきありがとうございました。

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