エピソード1-㊱
被災された皆様方の一刻も早い復興をお祈り申し上げます
タッキーがルルに言われてやっと正常に戻ったと同時に、ウルミアが資料を出してきた。
「はい。こちらがFランクで採取できる植物、こちらが狩れる魔物の一覧になります」
二人は差し出された資料を見る。どちらも名前や特徴、出現場所などの情報の他、一つ一つ丁寧に描かれたイラストが付いていてわかりやすい。全体の半分ほどがロドリ村では見たことがない種類だ。各々十数種類くらいだった。
ルルがタッキーに「全部覚えられる?」と聞く。タッキーは胸(?)を張って「大丈夫、全部覚えられるよ!!」と、自信あり気に答える。
「大丈夫ですよ。選んだ依頼書は私が確認しますから」
と、ウルミアも言う。それを聞いたルルはにっこり笑って「じゃあ、掲示板から探してきますね」とウルミアに言い、タッキーと一緒に掲示板の前へ移動した。リトリア村の冒険者ギルドの掲示板は、ロドリ村の冒険者ギルドのよりも大きい。
「リトリア村の冒険者ギルドは掲示板も大きければ、依頼の数もロドリ村より多いね」
とタッキーが言う。
「本当ね。冒険者さんたちの数も多いし…あ、これとかどうかな?」
ルルが選んだのは薬草の採取の依頼で、初めて見る種類の薬草だ。ただ、ちょっと強い魔物が出る場所に生えているらしい。
「出現する魔物も、Fランクで狩れる魔物の一覧の中にあったやつだね。もし出てきたら、ついでに狩っちゃおうか。ツノや皮はお金になるみたいだし」
「そうね、いいかも!!」
タッキーの提案に、ルルも賛成した。
「ウルミアさん、この依頼を受けたいんですけど」
ルルがウルミアに依頼書を差し出す。
「はい、拝見しますね。…大丈夫です、Fランクで可能ですよ。ただ…ちょっと量が多いんですけど、大丈夫ですか?持てますか?」
「あ、それならボクのポケットに入れるんでご心配なく」
と、タッキーは胸(?)を張る。
「ポケット?」
ウルミアがきょとんとしていると、ルルが
「タッキーの体の中にしまっておくの。なんでも入るのよ。沢山入れても全然平気なの!」
と自慢気にウルミアに言う。
「まあ、そうなの!頼もしいわね!」
「いやあ、それ程でも…」
ウルミアに褒められて、タッキーも嬉しくて少し赤くなりながらも謙遜する。
「じゃあ、気を付けて。いってらっしゃいませ」
ウルミアは笑顔で二人を送り出した。
お読みいただきありがとうございました。
追記:小説を書いている途中、「あれ、二人のステータスって今どうなってんの?」と今の今までステータス値を更新してなかった事実に気が付いたので、筆者のメモ書きも兼ねて現時点での二人のステータス値を載せておきます。母娘共々うっかりしてました…。
タッキー 種族:スライム
Lv:55 状態:テイムモンスター テイム先:ルル
HP:230 MP:221
STR:55 VIT:40 INT:60 MND:50
AGI:40 DEX:70 LUC:80
スキル:鑑定眼Lv3
形状変化Lv6
毒生成Lv5
薬調合Lv2←new!
解毒魔法Lv2←new!
収納Lv∞
ルル 種族:人間 冒険者ランク:F
Lv:15
HP:65 MP:194
STR:9 VIT:5 INT:18 MND:10
AGI:80 DEX:23 LUC:80
スキル:危険察知力Lv3
超速Lv2
魔法:テイムLv2
テイム数:1
テイムモンスター:タッキー




