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生き抜け!!サバイバルあってのスローライフです!  作者: 櫻庭 明日香
エピソード1
30/124

エピソード1-㉗

※注意!!今回の話では残酷描写があります。苦手な方はご注意ください

……

………


「「「「「「「「ガアアアアアアアーーーーーーーー!!!!!!!!」」」」」」」」


「「「「「「「「グオオオオオオオーーーーーーーー!!!!!!!!」」」」」」」」



「「「きゃああああぁぁーーーーー!!!!」」」


「「「わああああぁぁぁーーーーーー!!!!」」」


「「「逃げろーーーーーーーーー!!!!!」」」


 辺りは叫び声や悲鳴、そして魔物の唸り声や吠え声で村はパニック状態だ。家は破壊され、追い立てられて逃げ惑う人々に、魔物が襲いかかる。

 魔物はクマに似ているが、体はクマの3倍の大きさはある。頭には大きな角が生え、牙も大きく、爪も長く鋭い。巨体なのに走るのは驚くほど速く、逃げる人間に追いついてしまう。皮膚も丈夫で固く、農具などの並の武器では傷一つすら付けられない。力も強く、人間の体などたやすく引きちぎってしまう。そんな魔物が突如、大群で村へ襲いかかってきた。



「ぎゃあああぁぁぁーーーー!!!!」


「助けてえええぇぇーーーー!!!!」


 村人が次々襲われ、辺りは飛び散る血と臓物や臓物の欠片、肉片まみれになっていた。

 知り合いが、親しかった人が次々に体を折られ、ちぎれ、魔物にあっという間に食い尽くされ、骨だけになっていく。


 

 ボクも家族と一緒に走って、魔物から逃げていた。兄はまだ小さい妹を抱きかかえて、ボクらの少し前を走り、ボクは母と手をつなぎ、父と一緒に走っていた。


「走れ!もっと早く!!」

 父がみんなに声をかける。みんな必死で走っているが、これ以上のスピードは出ない。


「うわああーーーーん!!」


 兄に抱きかかえられている妹は、恐怖でずっと泣きっぱなしだ。


「大丈夫!大丈夫だから!!」


 兄は走りながら必死に妹をなだめる。

 しかし、魔物との距離はじりじりと縮まっていた。


「頑張って!みんな頑張って!!」


 兄が振り返ってボク等に声をかける。

 しかし、魔物はボクらのすぐ後ろに迫っていた。

 その時、父は覚悟を決めて


「お前たちは逃げろ!!」


 そう言うと、くるりと後ろを向き、足元に落ちていた鍬を拾って、魔物に立ち向かった。


「お父さん!!」


 叫ぶボクに、母は唇をかみしめ、そしてボクに向かって言った。


「キース、逃げるのよ!」


 ボクの手を強く引いて、母は走った。


 父は、魔物に向かって鍬を振り下ろした。だが、鍬はあっさりと魔物に振り払われ、遠くに飛ばされてしまった。

 魔物は、手で、父の頭を鷲掴みにすると、そのまま握りつぶした。グシャッと、父の頭は果実のようにつぶれ、大量の血とともに目玉と脳が飛び散った。


「お父さん!!」


 ボクは叫んだ。


「お父さんが……お父さんが……」


 うろたえるボクに母は


「とにかく逃げるのよ!」


 そういう母の目にも涙がにじんでいた。

 しかし、次の瞬間、父を襲った魔物とは別個体の魔物が、母の肩をつかんだ。


「ひぃっ!!」


 母が声を上げた。が、魔物はもう片方の手で、母の首をつかみ、そのまま引きちぎった。大量の血が、まるで噴水のように母の首の根元から吹き出し、ボクの顔や衣服も真っ赤に染まった。


「お母さん!!」


 だが、次の言葉はもう出なかった。ドスッと、背中から胸へ、強い衝撃が走った。

 ボクの目に、胸から突き出た血まみれの魔物の手が見えた。


 ゴフッと血を吐いて、意識が遠くなる…



……………

……

お読みいただきありがとうございました。

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