エピソード1-㉖
右側の首と肩が痛い…。寝違えからの肉離れらしいです…(´・ω・`)
「はーっ、びっくりした…。あんなに沢山のお金…まだ今もピンとこないわ…」
「本当だねぇ。でもよかったじゃないか。これから冬になるし、貯えはあった方がいいよ。そのうち防具なんかもそろえようか?」
「うん、そのうち欲しいな!」
「一週間待たなきゃいけないから、宿を取らなくちゃね」
「そうね、宿屋を探さなくちゃ」
そうして二人は宿屋を探し、あまり料金の高いところではない無難な宿屋を選んだ。素材を売ったお金はあったが、とりあえずもしもの時に備えて取っておくことにした。
…要するに貧乏性なので、贅沢が出来ない性分なのである…。
ルルたちは宿屋で手続きを済ませた後、部屋に入った。あまり広くないし、家具も古いが、とても手入れが行き届いていた。
「結構いい部屋だね」
とタッキーが言うと、ルルもうなずいた。
「うん、うちのベッドよりふかふかだわ!」
そう言うとルルはベッドに座って弾力を確かめていた。タッキーもピョンッとベッドの上に飛び乗ると、ルルに話しかけた。
「明日は市場や商店街に出かけてみない?どうせ一週間暇だしさ」
それを聞いたルルの目が輝く。
「うん、行きたい!どんなものが売ってるのかな~?」
「せっかくだし、ルルの服も買おうよ」
「私の服?」
タッキーの言葉に、ルルはちょっと意外そうにルルが言う。
「うん。だってもう、だいぶボロボロでしょ?それに背が伸びてきて、服がちょっと小さくなってるし」
「あ…」
ルルは今まで服のサイズのことなど気にしたことがなかったらしい。
ルルはタッキーと出会うまでは日々生きていくだけでも精いっぱい、満足に食べることすらできないことも多かった。必然的に成長に必要な栄養も十分に取れていなかったし、服のことを気にする心の余裕もなかったのだ。
「もうすぐ寒くなるし、今着るものと、秋~冬用と買わなくちゃね!」
「そんなに買っちゃっていいの!?」
「いいともさ!お金は入ったし、無駄遣いじゃないよ。必要な物は買わなくちゃ!」
実はタッキー、ずっと前からルルにもっと可愛い服を着せたかったのである。せっかく女の子なんだし、ルルは可愛い顔立ちをしている。タッキーの気持ち的には、妹におしゃれをさせたいお兄ちゃんの状態である。
「ありがとう、タッキー」
ルルは嬉しそうだ。まるっきりおしゃれに興味がないわけではないらしい。その辺はやっぱり女の子である。
「明日…楽しみだなぁー」
そう言いながらルルはふわぁ…、と大きなあくびをした。それを見たタッキーは
「今日は色々あったから、かなり疲れたんじゃない?早く寝ようよ」
と言って、ベッドのルルの寝場所を手でポンポン、と軽くたたいた。
「そうね、今日はもう寝ようか」
ルルはにっこり笑うと、タッキーがたたいた辺りに横になった。ルルの横にタッキーも潜り込む。ルルの腕と胸の間辺りがタッキーの定位置だ。9歳だから当然、胸のふくらみはないが、温かくて居心地がいい。
「「おやすみなさい」」
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