エピソード1-⑱
なんだかんだで20話超えました。
これからものんびり更新していきます(*´▽`*)
よろしくお願いします。
米。それは日本人のソウルフード。この世界でも米を作っているところがあるなんて!タッキーは感動に打ち震えていた。
「ジャンパンという国でな、この大陸からは少し離れたところにポツンとある島国なんじゃ。食べ物もこの辺とはかなり違っているんじゃよ」
「へぇ~…ねぇ、゛コメ″っておいしいの?」
ルルが尋ねる。
「もちろん、おいしいぞ。そのままでは大して味はしないんじゃがね。調理方法がそもそも違ってな。小麦は脱穀と言ってその実の皮を剥き、粉にしてから使うんじゃが、米は脱穀したら粒のまま煮て食べるのじゃよ」
「粒のまま!?固くないの?」
とルルが聞く。するとイグリスは首を横に振り
「いやいや、水を入れて熱すると柔らかくてとてもおいしいんじゃよ」
「そうなんだー。不思議ねー」
ルルは感心して聞いている。イグリスはさらに話を続ける。
「その米を発酵させて酒を造ったり、酒を絞った゛カス″の部分も使ったりするんじゃ。米の他にも゛豆″も好きな国でなぁ、いろんな種類の豆を植えとる。そのまま食べるだけじゃなく、調味料も作るんじゃよ」
「調味料?」
塩やタッキーお手製のトマトペーストくらいしか知らないルルが何だろう?と思い尋ねる。
「そう、この国で言うソースとかトマトケチャップみたいなものじゃよ。゛ショウユ″という名前で、しょっぱいんじゃが独特の風味があって、料理に使うとこの国のとはまた違った味になるんじゃよ。豆からは゛トウフ″という食べ物も作れるんじゃ。あと゛ナットウ″という不可思議な食べ物もある。…わしはアレはちょいと苦手じゃ…」
醤油、豆腐、納豆…ああ、懐かしいなぁ…と思いながらタッキーはイグリスに尋ねる。
「それらの食品って、この国で手に入りますか?」
イグリスはちょっと考えて
「ふーむ…売っている店も多少はあるはずじゃが、少ないんじゃないかのう。この国で好まれる味ではないからのう…」
「そうなんですか…」
タッキーはちょっとがっかりした。
「わしも最初は行けるかと思って輸入しとったんじゃが…ダメだったんでジャンパンの物の輸入からは手を引いたんじゃ。…逆はすごく人気なんじゃがの…」
「逆ってなあに?」
ルルが尋ねる。
「こっちの国、アスール王国の物をジャンパンに売る、ということじゃよ。ジャンパンの人々は好奇心が強くて、珍しいものを好み、積極的に取り入れておる。向上心もあって、こちらで作ったものを真似てもっと良い物を作ってしまうんじゃよ」
「へぇー、すごいねー!」
ルルが感心する。
「興味があるなら一度行ってみるといいじゃろ。船代などちょいと金はかかるが、見るもの聞くものすべてが物珍しくて、退屈せんぞ」
イグリスの話にルルは目を輝かせて
「行ってみたーい!ねっ、タッキー。いつか行きたいね!」
その言葉にタッキーもうなずく。
「そうだね。ボクも行ってみたい!いつか二人で行こうよ!」
「うん!!」
ジャンパンという国に思いを馳せ、大興奮するルルとタッキーの様子を、イグリスは微笑ましげに見ていた。
ケチャップやショウユの単語を見ると、どうしても某ゆっくり実況の「チーム高血圧」を思い出すw(わかる人、いるかな?w)
お読みいただきありがとうございました。




