エピソード1-⑰
読書の秋、芸術の秋ってことで「Library of Ruina」というゲームの「言語の階の通常接待BGM」が個人的に大好きだったりします(唐突に自分語り)。
馬車に乗り合わせたのは、色白で白い髪と髭を長く伸ばしている初老のお爺さんだった。
ルルは馬車に乗ると、お爺さんにあいさつした。
「こんにちは。私はルル。こっちはお友達のタッキーよ」
「よろしく!」
とタッキーも笑顔であいさつした。お爺さんも笑顔で返す。
「よろしく、お嬢ちゃん。わしは商人のイグリスじゃ。それにしても、噂には聞いとったが…しゃべるスライムとは珍しいのう。君たちは冒険者かい?」
「そうよ。リトリア村には剣を作ってもらいに行くの」
「ほう…そうか。確かにその短剣ではちょっと心もとないしの」
イグリスはルルの腰にぶら下がっている短剣を見て言う。そして記憶をたどるように
「リトリア村には確か『ギギル』という武具屋があったなぁ。場所はちょっと村のはずれでの…う~ん、ちょいとうろ覚えで…着いたら向こうのギルドで地図をもらうといいじゃろう」
「お店の名前は『ギギル』って言うんですね。ありがとう、イグリスさん」
ルルがお礼を言う。馬車はほどなくリトリア村に向かって出発した。馬車に揺られながら
「イグリスさんはどんなものを売ってるんですか?」
とタッキーが尋ねる。
「基本は薬や薬草の類じゃが、その他お金になれば何でも売るぞ。商人じゃからな」
ホッホッと笑いながらイグリスは言う。
「どんなところを回っているの?」
ルルが興味あり気に尋ねる。
「いろんなところを回っとるよ。仕入れたり売ったり、国中を旅しとるよ。たまーに他の国へも行くが、大体はこの国の中じゃのう。ルルちゃんは他の村や町へ行ったことがあるかね?」
「ううん。ロドリ村から出たことがないわ」
「そうかい。では着くまでにしばらく時間がかかるし…わしの旅の話でもしようかの」
ルルとタッキーは目を輝かせて「「聞きたい!!」」と叫んだ。
イグリスは嬉しそうにホッホッと笑うと「じゃあ、いくつか珍しい話を聞かせてあげよう」と話し始めた。
ダンジョンのある村の話。1つは鉱石がよく取れるダンジョン。もう1つはお宝が眠っていることもある代わりに、とても強い魔物がいて、戻ってこないパーティもある…という話。魚が沢山獲れる村には、海底神殿らしきものがあって、昔はそこに街があったかもしれない…という話。そして、主食が小麦ではない国の話。
「そこでは小麦も取れるが、主食が‶米"というものなんじゃ」
「コメ…?」ルルは初めて聞く穀物の名前だ。
「米!!」
タッキーには懐かしい響きの名前だった。
どうやらルルちゃんの育った村の名前、ロドリ村と言うようです(私も知らなかったw)。
あと米の単語聞いてきっとタッキー君はテンション爆上がり中だと思いますw
お読みくださりありがとうございました。




