表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生き抜け!!サバイバルあってのスローライフです!  作者: 櫻庭 明日香
エピソード0
2/108

エピソード0-②

「ごっ、ごめんなさい!!おいしくてつい食べちゃったんです!!」


 そういって謝るスライムを見て、ルルはさらにびっくり。


「スライムがしゃべった!?人間の言葉がわかるの!?」


 スライムの方もびっくりだ。人間を見るのも久々だったし、ドギマギしながら、考え考え言い訳をする。


「えっ!?あっ、そう、そうなの!!しゃべれるんです。えっと…えっとね、そう、ボクの特殊能力なの!!」

(異世界って便利な言い訳があるなぁ)

 そう心の中で思いながらしゃべるスライム。


「ボクは特別なんだよ!!びっくりさせてごめんね。ボクは…えっとタッキー。森の奥の方で生まれて、強い魔物からずっと逃げてて、やっとここまで来たんだ。そうしたら、おいしそうな木の実とか草とかあって…食べてお腹一杯になって、そのまんま眠っちゃったんだよ」


「そうなんだ…大変だったね。タッキー君って言うんだね。私はルル。食べちゃったっことは怒らないけど…薬草、また取り直さなくちゃ。今夜の食べ物もなくなっちゃったなぁ…」

 しょんぼりとして言うルルにタッキーは


「他には食べ物はないの?」

 と尋ねる。


「うん…ないのよ」


 タッキーは家の中を見回す。一人暮らしにはちょっと広い家だ。


「他に家の人は?お父さんやお母さんは?」


「いないの。二人とも、死んじゃったの。お父さんは私がもっと小さい頃に、お母さんは3か月くらい前に病気で…」


「そうなんだ。ずっと一人で暮らしてたの?」


「うん…。先月までは隣のおばさんが時々食べ物を分けてくれてたんだけど、一家で街へ引っ越しちゃったから。それからは一人なの。」


「そうなんだ…大変だね。君、年はいくつ?」


「9歳よ」


(まだ小さいのに一人で頑張ってきたんだなぁ…)

 タッキーは、自分がすっごくまずい事をしてしまったと気付く。


「ごめん。本当にごめんね。…あ、そうだ。味はあんまりおいしくないけど、森の奥にいた時そこら辺に沢山あったから、非常食にってとっておいた木の実を上げるよ」

 タッキーはそう言うと、口をアーンと開けてバラバラッと小さくて白色の丸い木の実を出した。


「これは?」

 ルルは初めて見る実だった。

お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ