エピソード1-⑭
明日から使える雑学
KFCのカーネルおじさんは……実はものすごい短気で逮捕歴がある。
また、KFCの前身となる店を出した時、目の前に建ったライバル店に向かって銃をぶっ放したこともあるらしい。
これを聞いた友達の反応
A「だから道頓堀に放り込まれたときに呪いかけたのかw」
B「カーネルおじさんの杖は実は仕込み杖だった可能性が…?w」
世の中知りたくなかったことってあるよねw
ジンから武具屋のことを聞いたルルは「本当!?」と目を輝かせた。
「ああ、リトリア村なら近いし…ただし、ちょっと高いぞ?金はあるか?」
「あ、やっぱり…」
タッキーは(まぁ、そうだろうな)と思った。世の中いいものを手にするには、それなりの金銭がかかるものだ。
「お金…」
ルルが悩む。そう、今のところ日々食べていくのが精一杯。蓄えはもしかしたら森に行けない日があった時のため…の数日分の食費程度だ。
悩むルルにタッキーが励ましの意味も込めた発破をかける。
「ジンさんから剣術や戦い方を習ってから、犬やキツネ程度の魔物なら倒せるようになったんだしさ。ランクが上がれば、今よりもいい報酬の依頼も受けられるようになる。それに、目標があった方がより頑張れるでしょ?がんばって貯めようよ!」
「そうね、頑張らなくちゃ!!」
タッキーの言葉を受け、ルルはやる気にあふれた。
リトリア村、と聞いてタッキーは思い出した。確か、前世農民だったころに住んでいたマリートス村のすぐ隣だ。あの村は今どうなっているのだろうか…父と母は魔物に殺されてしまったけれど、兄と妹は…?他にどのくらいの人が生き残ったのだろうか…ちょっと気になった。
次の日からは今までよりも多く収入になる、小型の魔物の討伐や素材の納品などの依頼を中心に受けることにした。ギルドのボードに張られた依頼書から、ルルがよさそうなものを探す。
「うーん…お金は欲しいけど…まだあんまり強い魔物とは戦えないし…」
「そうだねぇ。そもそも冒険者ランクがGだから、それで出来る依頼しか受けられないしね」
「そうなのよねー…あっ、これGランクで報酬も結構高いわ!!」
そういってルルが見た依頼書は、「畑を荒らすスライムを一掃してほしい」というスライム討伐の依頼書だった。
それを見たタッキーは、目をウルウルさせ、ものすごく悲しそうな、というか今にも泣きだしそうな顔をしてルルの方を向き
「……ルル……それ、どうしても…やらなきゃ、ダメ…?」
ルルはタッキーの表情を見て(…しまった…)と思い、慌てて
「ごっごめん!!そうだよね、同じ仲間を倒すのはやっぱり嫌だよね!!違うの探すから!!」
と、他の依頼を探し始めた。
結局ウサギ型の魔物とリスの魔物を討伐する依頼を受けることにした。依頼の理由は先ほどと同じく、畑を荒らすから…というものだが。
母曰く、タッキーは他人がスライムを倒すこと自体は平気だが、自分が同族のスライムを倒すのは嫌なのだそうです。
お読みいただきありがとうございました。