エピソード1-⑬
前話を書き終えて投稿した後に思ったこと。
(コンソメって単語を見ると、どうしても某漫画の「ドーピングコンソメスープ」を思い出すなぁ…wわかる人、いるかな?w)
次の日2人はギルドへ向かい、そこに居合わせていたジンに剣を教えてもらえないかと頼んだ。昨日の魔物との戦闘で力不足を痛感していたルル。そこでタッキーは一晩考え、翌朝に
「力やレベルが足りないのなら、せめて剣術や戦い方を誰かに教えてもらうのはどう?」
と提案をした。確かにその方がずっとよさそうだとルルは納得し、そこで知り合いで剣士のジンを頼ることに決めたのだ。
ルルとタッキーに頼まれたジンは驚きつつも、暇なときであればと快く指南役を引き受けてくれた。なんでも上位冒険者は後輩である下位冒険者を指導し、将来の担い手として育てる役割があるのだそうだ。ただ、本人にやる気がなければ指導しても意味がないため、自ら進んで頼んでこない限り指南役になることはないそうだ。
冒険者は命がけの仕事だ。それに上位冒険者とて時間が無限にあるわけではない。むしろ下位冒険者よりも忙しい。わざわざやる気のないものを指導して無駄に終わるよりも、やる気のあるものを指導して次につなげた方がずっと有意義である。そうジンから聞かされた2人は、なるほどなぁと納得した。
「この辺で一服されては?」
タッキーがお茶を持ってくる。タッキーの体はメロンくらいの大きさに成長したが、やはりちょっと茶運びは大変そうだった。
「お、ありがとうなタッキー」
ジンはお茶を受け取るとゴクゴクと飲んだ。ルルもだ。ジンに指導を乞うた日から約2週間。ルルはそれなりに頑張っている。
「で、先生どうです?ルルの上達は?」
タッキーがジンを茶化しながら尋ねる。
「先生はよしてくれ、俺なんかまだまだだ。でもルルは飲み込みが早いよ。もう何とか形になってきてる」
それを聞いたタッキーは嬉しそうに
「そうですか、そうですか。よかった。先生のご指導のおかげです」
と持ち上げる。
「だから、先生はよせってば」
ジンはちょっと照れて顔や耳の先が少し赤くなってはいるが、満更でもないようだ。ジンはランクAの冒険者であるが、それを鼻にかけない控えめな性格だ。
余談だが、タッキーは鑑定眼のスキルのおかげで他人のステータスも見ることはできるが、スキルレベルが低いため大抵名前とレベルくらいしか見えない。興味本位でジンに鑑定眼を使用したところ、たまたま冒険者ランクまで見ることができた。ちなみにジンのレベルは81。結構すごい。
「ところでルル、武器はその短剣だけなのかい?」
ジンがルルに尋ねる。
「うん…これ、実はお母さんが持っていたものなんだ。でも、お母さんは魔法が使えたから武器がほとんどいらなくてね。多分採取用の短剣なんだろうけど、武器らしいものってこれくらいしかなくて…」
「そうか…この村じゃ武器なんて売ってないしなー。あるのは農具店くらいだ。鎌で戦う…じゃあ様にならないしなぁ…」
それを聞いてタッキーは現世の鎖鎌を思い出した。
(あれも立派な武器だけど…忍者みたいだな)
そしてタッキーはくノ一の格好をして鎖鎌を振るルルを想像した。
(…ちょっとかわいいかも…)
その時、考え込んでいたジンが思い出す。
「そういえば、リトリア村にいい武具屋があったな。小さい店だが、そこの親父は腕のいい職人だ。ルルに使いやすい武器を作ってもらえるかもしれないぞ」
お読みいただきありがとうございました。