表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生き抜け!!サバイバルあってのスローライフです!  作者: 櫻庭 明日香
エピソード4
115/115

エピソード4-④

すごく暑かったと思ったら急に寒くなりましたね…。皆様、体調には十分お気を付けください。(ちなみに娘の私は風邪ひきましたw)

 魔法学校を後にして、二人は王都中心部へ向かった。歩きながらタッキーは自身の収納ポケットから、魔法学校で購入した過去問集を取り出し、読み始める。歴史などはともかく、数学に関しては思ってた以上に高度な物だった。

「えっ!?方程式!?マイナスも出てくるのか!」

 この世界でこんな高度な学問があるとは思ってもみなかったというのが、タッキーの正直な感想だ。ルルには分数と少数までしか教えていなかった。そのため一次方程式なんて、タッキーには簡単だが、ルルには無理である。

 タッキーが過去問集を読んでいると、ルルが覗き込んできた。そして「この、数字じゃない文字って何?」と聞いてきた。数学でお馴染みの『ⅹ』と『y』のことである。

 ルルの質問にタッキーが答える。

「うん、ルルにはまだ教えてないよね。この『マイナス』ってのもね」


「うん。初めて見たわ」


「筆記試験はやっぱりボクが代わりに受けるよ。でも、マイナス位なら後でルルに教えてあげるね」


「ありがとうタッキー。とても心強いわ」




 王都中心部に着いた二人は、宿を探した。しかし、どこも一杯で泊まるところが見つからない。


「明日は第三王子様の戴冠式があるからねぇ。国中から、いや、国外からも人が集まっているんだ。済まないねぇ」


 宿屋の主人はどこも口を揃えて戴冠式の事を話した。


「困ったわねぇ…」


 宿が見つからないことにルルが溜息をついていると、最後に立ち寄った宿屋の主人が申し訳なさそうに提案する。

「あのう…馬小屋なら空いているんだけど…ダメかな?お金はいらないよ」


「えっ!?いいんですか!?」

 ルルの目がパッと輝く。元々が貧乏なので、質素な暮らしには慣れっこだ。

「ああ、先日馬が一頭亡くなったから、ちょっと空いているんだ。今は藁置き場になっていてね。本当にそこでもいいかい?」


「「はい!もちろんです」」

 ルルとタッキーは間髪入れずに元気よく答えた。




 馬小屋に着くと、寝られるくらいのスペースが空いていた。

「わー、藁がいっぱい。フカフカだわ」


「ここに敷物を敷けばベッドになるね」

 と、タッキーは自身の収納ポケットから厚手の敷物を出して敷く。

「枕もあるよ」

 と、ポケットから枕も出す。

「ありがとう」


「はい、掛布団」


「なんでも持ってるのね、タッキー」

 ルルが感心している。

「エヘヘ、何でも持ち歩けるのが、この収納ポケットのいい所さ」

 タッキーはちょっと自慢気だ。


「「おやすみなさい」」


 タッキーの収納ポケットのお陰で二人は馬小屋にもかかわらず、快適に眠ることが出来た。

お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ