表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生き抜け!!サバイバルあってのスローライフです!  作者: 櫻庭 明日香
エピソード3
105/116

エピソード3-㉔

「あら、あなた方もネズミ狩りに?」

 二人は冒険者ギルドに戻り、依頼の手続きをした。ウルミアが書類を出してくる。

「はい。ギギルさんから討伐依頼があるって聞いたので」

 ルルがウルミアからの問いに答える。

「嬉しいわ。もう2チームが森へ入っているのだけれど、苦戦しているみたいなの。他にもう1チーム入っていたのだけれど、自分たちの手に負えないと依頼を中止して少し前に戻ってきたわ」


「そうなんですか。その、鎧ネズミって手強いんですか?」


「そうね。とにかく鎧が固いので。はい、これが資料です」

 二人はウルミアから受け取った資料を読む。

「鎧の部分はそのまま鉄として使えるの!?」

 ルルは驚く。

「そうなんです。なのでバラバラになった物でも、溶かして別の形に作り直せます。なので、欠片になってても拾って来てくださいね。ちゃんと買い取りますから」

 ウルミアの言葉に、タッキーの目が輝く。

「欠片でも!?やったー!!バラバラに切り刻んでも大丈夫なんだ!!」


「嬉しそうね、タッキー。ま、私もこの剣で切り刻めるってことなんだから、楽でいいけど」


「そうだね。毒とか眠りとかは効かないってのがちょっと面倒だけど、その代わり思いっきり戦えるね」

 タッキーはもう、切り刻むことしか考えていなかった。


「では、頑張ってくださいね」


 ウルミアは笑顔で二人を送り出した。




 ルルとタッキーは鎧ネズミが出るという、畑と森の境目辺りに着いた。少し遠くから人の声や、ネズミのキーキーいう声がする。

「あっちの方角だね」

 タッキーは声のする方に、指(?)を指す。

「わかったわ。行きましょう!」

 と、ルルはタッキーの示した方角へ向かって駆けだした。



 二人が走っていくと間もなく、複数の鎧ネズミと冒険者たちが戦っているのが見えた。かなり苦戦しているようだ。

 鎧ネズミの上に乗って、鎧の隙間に剣を差し込んで倒している者もいた。まともに切りつけても敵わないからだ。炎攻撃で、鎧を熱して倒そうとしている者もいた。

 ルルが冒険者たちに「加勢します!!」と言って突っ込んで行く。それを見た他の冒険者たちは


「子供!?」

「いや、君達じゃ無理だ、来るんじゃない!!」


 と叫ぶ。

 ルルに気付いた鎧ネズミは、ルルめがけて突進してくる。ルルはそれを鎧ごと剣で左右真っ二つに斬る。周りの冒険者たちは驚く。


「ええっ!?この鎧ネズミの鎧を斬れるのか!?」


 ルルは鎧ネズミの返り血を浴びて、くるっと皆の方を向くと血塗れの顔でニッコリして

「そうよ、この剣はミスリル製なの!」

 と、自慢する。それを見た皆は(この子供は只者じゃない)と悟った。タッキーも横で

「ギギルさんの傑作なんですよ!」

 と、ギギルの腕を褒める。

お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ