エピソード3-⑳
次の日、早速冒険者ギルドへ出向く二人。しかし…
「…ごめんなさい。どれもここでは見たことがなくて、わからないんです」
受付のアンナは申し訳なさそうに言う。石の正体がわからず、がっかりするルル。
「そうですかー…」
「あっ、でも他のギルドに問い合わせて調べればわかると思います。少しお時間を頂くことになりますが…」
アンナがそう提案したその時、奥からギルドマスターが出てきた。カウンターの上に置かれた色々な石を見て、声を上げる。
「おっ、魔石か!?でもこれは見たことないなー、かなり珍しいんじゃないか!?…あ、これはなんか見覚えがあるな」
それを聞いて、アンナの顔が期待でパッと明るくなる。
「ギルドマスター、何の魔石かわかります!?」
だが聞かれたギルドマスターはちょっと考え込んで
「う~~ん…名前はちょっとなぁ…」
「そうですか…」
頼みの綱のギルドマスターもわからないことに、ガッカリするアンナ。でもギルドマスターはちょっと思いついて、二人に提案する。
「ああ、そうだ。こういう石の類はギギルが詳しいぞ。手間でなければ、リトリア村へ行って聞いてみるといい」
そう言われて二人とも気が付いて、納得する。
「あっ、そっかギギルさん!」
「そうか、彼なら確かに何でも知ってそうですね」
こうして早速次の日、ルルとタッキーはリトリア村へ向かうこととなった。
次の日、リトリア村へ着くと、二人はまずギルドへ向かうことにする。
「あらー、お久しぶりねー!」
受付のウルミアが、笑顔で二人を出迎える。
「こんにちは、ウルミアさん。お久しぶりです」
ルルが挨拶する。タッキーもルルの肩を降りてカウンターの上に乗ると、ウルミアに挨拶する。
「こんにちは、また来ました」
「タッキー君!!また会えて嬉しいわ!!」
ウルミアはそう言うなりタッキーの体を掴んで持ち上げると、自分の服の胸元を反対の手でグイッと広げて、その深い谷間にタッキーを放り込むと、そのままギューッと抱きしめた。その大きく柔らかな山二つに挟まれるタッキー。
(ああっ!!もうこのまま死んでもいい!!)
幸せに包まれるタッキー。…だがふと後ろを振り返ると、ルルがものすごい形相で自分を睨みつけていた。今回、ウルミアが自らタッキーを胸の谷間に入れたのだから、セクハラにはならない。…けれど、それでは割り切れない怒りに、ルルは体を震わせ、拳を握り締めていた。
(お願い!もう少しだけ見逃して~…)
タッキーは涙ぐんだ瞳でルルを見つめ、ジークフリートからコピーしてもらった念話でルルに懇願した。
信じられるか…?コレ母が書いたんだぜ…?w
お読みいただきありがとうございました。