エピソード3-⑲
祝、100話!これも皆様のご愛好の賜物です。本当にありがとうございます!
引き続き、本作をよろしくお願いしますペコリ(o_ _)o))
「それではハインリヒさん、お元気で」
「ああ、わざわざ来てくれてありがとうございます。ルード兄さんの話も聞けて、嬉しかったですよ。よかったらまた遊びに来てください」
「はい」
タッキーは村へ戻るため、再びジークフリートの背に乗った。上空を風を切って飛ぶジークフリート。その背中から、タッキーは後ろを振り返る。ドラゴンの里が見える。段々と小さく遠ざかっていくのを見ながら、タッキーはこう思う。
(もう、ハインリヒさんに会うことはないんだろうな…)
そして、里は見えなくなった。
ハインリヒが亡くなった、とジークフリートから連絡があったのは、その3日後だった。
「もう日が昇っていますし、人に見つかっても困るので、この辺までしか送っていけないのですが…大丈夫ですか?」
そう言ってジークフリートは、最初にドラゴンの墓場を出た時に降ろしてもらったのと同じくらいの所で地面に降りる。タッキーは「大丈夫です。あの日降ろしてもらった時の村までの道は覚えてますから」と返す。タッキーはジークフリートの背中から降りると、丁寧にお礼を言う。
「ありがとうございます。ジークフリートさん」
「気を付けて帰ってくださいね」
ジークフリートは笑顔でタッキーを見送った。
タッキーは森の中を急いで走り抜ける。途中少し魔物に出会ったが、もうタッキーの敵ではない。切って、突き刺して、森の出口へ向かう。――もちろん、後始末はちゃんとして。
家に着くと、家の前では畑タッキーが、中ではルルが待っていた。目の下にクマを作ってフラフラなタッキーに対して、二度寝したっぽいルルは元気いっぱいだ。
「お帰りなさい!ねぇねぇ、どんな石を貰ったの!?」
ルルは目を輝かせている。好奇心いっぱいだ。
タッキーはポケットから、とりあえず20~30個くらいの石を出す。
「うん、沢山もらったよ。鉱石や魔石、色々あるけど、どれもすごく綺麗なんだ」
「わぁー、キレイ!!」
色とりどりの石に、ルルは見とれている。美しすぎて、じっと見つめていると、石に吸い込まれてしまいそうな感覚になる。青~水色のグラデーションが入ったもの、赤く輝いているもの、透明な針状のものが幾つもくっついたもの、紫色に白が混ざり、全体がラメが入ったようにキラキラしているもの、光の角度で色々な色に見えるもの…。
「すごーい、こんなの初めて見るわ。どんな石なんだろう…タッキーの鑑定眼でわからない?」
「う~~ん…この赤くて大きい意志だけはルビーってわかるんだけど、あとは情報が出てこないんだ。多分、かなり珍しい物なんだろうね。もっとボクの鑑定眼のレベルが上がらないとダメだと思うよ」
それを聞いて、ちょっとがっかりするルル。
「そっかー、残念ねー。でも名前とかがわからなくても、キレイな物はキレイだわ。これとこれ、飾っておいてもいいかしら?」
「うん、いいと思うよ」
ルルは特にキラキラしていて美しい石を2つ選んで、食器棚のガラス戸の中に飾った。
その時、タッキーはふと思いつく。
「あ、そうだ。明日ギルドへ行って調べてもらおうか。ギルドなら石とか魔石とか詳しいだろうし」
それを聞いたルルの目が輝いた。
「そうね!!ギルドならわかるわよね。うん、明日行ってみましょう!」
母「こんな年寄りの話を読んでくださって、ありがとうございます。死ぬ前までに完結できるように頑張ります!」
※母、現在61歳です
お読みいただきありがとうございました。