表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹色のヒーロー  作者: 葛木真時
第2章
11/23

第11話 恩師と母校

 ライジン、フウジンとの戦闘の翌日。

 零音(れおん)咲来(さくら)は、咲来(さくら)の部屋で話していた。


「ふーん、ウィザーティーチ…一体何者かしら…?」


 咲来(さくら)は丸メガネをかけてオーバークリエイトマガジンを眺めながら言った。


「私以外にマガジンを作れる人…もしかしてMr.INDIGO(ミスターインディゴ)?」

Mr.INDIGO(ミスターインディゴ)はマガジンを作れるの?」


 零音(れおん)咲来(さくら)からオーバークリエイトマガジンを受け取りながら聞いた。


「そうねぇ。じつはマガジンとカグツチは、Mr.INDIGO(ミスターインディゴ)から送られてきた設計図をもとに作ったものなのよ。」

「え!?母ちゃんの発明じゃないの!?じゃあ母ちゃん天才じゃないじゃん!」

「ユーティライザーはちゃんと私の発明よ!!母ちゃん天才だもん!」


 咲来(さくら)はムスッとした表情でパソコンに顔を向けた。。


(ウィザーティーチ…本当にMr.INDIGO(ミスターインディゴ)だったのかな…)


 零音(れおん)が考え事をしていると、インターホンがピンポンと鳴った。


零音(れおん)、出てくれる?」


 咲来(さくら)はパソコンの画面に顔を向けまま、零音(れおん)に言った。


「うん、わかった。」


 零音(れおん)は玄関に向かった。


「はーい。」


 零音(れおん)が家の扉を開けるとそこには、スキンヘッドでメガネをかけていて、小太りした中年のおじさんが怖い顔で立っていた。


「うわあああああっ!!」


 零音(れおん)はその怖い顔に驚き、腰を抜かして倒れた。


「どうしたの零音(れおん)?」


 咲来(さくら)零音(れおん)の悲鳴を聞きつけ、玄関に来た。


「え!?元林(もとばやし)先生!!」


 咲来(さくら)は丸メガネをおでこにずらして驚いた顔をした。


「よっ!咲来(さくら)!久しぶり!」


 おじさんは笑顔で咲来(さくら)に向かって片手を上げた。


「へ?先生??」


 倒れたままの零音(れおん)は、咲来(さくら)とおじさんを交互に見ながら困惑した。


 三人はリビングに移動した。


「紹介するね!この人は私の中学生の頃の担任の先生、元林 龍二(もとばやし りゅうじ)先生!」


 咲来(さくら)は椅子に座っている元林(もとばやし)を手で指して零音(れおん)に紹介した。


「母ちゃんの中学のときの…!!」

「そしてこっちは私の息子の零音(れおん)です!」


 咲来(さくら)は今度は零音(れおん)を手で指して元林(もとばやし)に紹介した。


零音(れおん)くんかぁ!元林(もとばやし)だ!よろしく!」


 元林(もとばやし)零音(れおん)に対して手を差し出して握手を求めてきた。


「あ…よろしくお願いします!」


 零音(れおん)元林(もとばやし)の手を握り、握手をした。


「いやぁ、卒業生から結婚して子供ができたって連絡が来ることはよくあるんだけど、まさか咲来(さくら)も結婚してたとはなぁ!それにこんな大きな子供までいるなんて!」

「そ、そうですね!いろいろ忙しくて連絡できなくて…!」


 咲来(さくら)は苦笑いをした。


元林(もとばやし)さん!!中学生の頃の母ちゃんって、どんな感じだったんですか?」


 零音(れおん)は輝いた目をして元林(もとばやし)に聞いた。


「そうだなぁ…女番長!!って感じだったなぁ…ほんとやんちゃで落ち着きがなかったよ!」

「母ちゃんが…やんちゃだったんだ…!!」

「も~やめてくださいよ恥ずかしい!!」


 咲来(さくら)は赤くなった顔を手で隠しながら言った。


「私のことはどうでもいいんですよ!何しに来たんですか!先生!!」

「あ、そうだそうだ!咲来(さくら)!来年の4月に同窓会をやるから、その招待に来たんだよ!咲来(さくら)の連絡先を知ってるやつがいなかったから、なんとか家を探して来たんだ!」

「同窓会ですか…」


 咲来(さくら)の表情が曇った。


「私、友達少なかったからなぁ…」

「母ちゃん友達少なかったの!?」

咲来(さくら)はね…。自習教室で勉強してたんだ。」

「そうそう!メタセコね!」


 暗い表情をしていた咲来(さくら)は一気に明るい表情になった。


「メタセコ…?」


 零音(れおん)は聞き慣れない言葉に首を傾げた。


「メタセコイア。自習教室の名前だよ。みんなメタセコって呼んでたけどね!」


 元林(もとばやし)零音(れおん)に説明した。


「懐かしいなぁ…!」


 咲来(さくら)は目を輝かせて懐かしんでいる。


「でも、そのメタセコももうすぐでなくなっちゃうんだよ。」

「え!?なくなるってどういうことですか!?」


 咲来(さくら)は前のめりになって聞いた。


造町(つくりまち)中学校は今、新校舎ができててね。私たちが通っていた旧校舎はもうすぐで解体されちゃうんだよ。」

「解体!?そんな…」


 咲来(さくら)はうつむいた。

 

「母ちゃん…。そうだ!元林(もとばやし)さん!今からその旧校舎の中に入ることってできますか?」


 零音(れおん)元林(もとばやし)に聞いた。


「え?今から!?そうだなぁ…許可が取れれば行けるかもな…」

「今からみんなで行きましょう!ね!母ちゃん!」

零音(れおん)…!」


 零音(れおん)は落ち込む咲来(さくら)を元気づけるために提案した。


――――――――――――――――――――――――


 三人は造町中学校旧校舎の玄関前に来た。


「うわぁ…!久しぶり!!」


 咲来(さくら)は旧校舎を見つめて少し涙ぐんだ。


「ここが母ちゃんの母校かぁ…」

「許可は取れたから中に入れるよ!さあ行こう!僕もここに来るのは久しぶりだ!」


 元林(もとばやし)は玄関を開け、中に入った。

 咲来(さくら)零音(れおん)もついていき、中に入った。


「先生!私メタセコに行きたい!」

「よーし!じゃあメタセコに行こう!!」


 三人は玄関で靴を脱ぎ、スリッパを履いて、玄関から正面階段に向かった。


「ん?」


 階段を上ろうとしたその時、零音(れおん)は、誰もいないはずの廊下の電気がついていることに気づいた。

 零音(れおん)は階段を上らず、電気のついている廊下の方に向かった。

 元林(もとばやし)咲来(さくら)はそんな零音(れおん)に気づかず、二階へ上がった。

 そして二階の廊下を進み、職員室の正面にある<メタセコイア>と書かれた札が扉の上についている教室の前に来た。

 咲来(さくら)はメタセコの扉を開き、中に入った。


「うわああああ!懐かしい!!」


 教室の中には、ダンボールで仕切られた大きな白いテーブルが四つ一組に繋がっていて、それがもう一組ある。

 中はしばらく使われていないため、かなり埃っぽい。


「そうそう!ここに座って自習してたんだよなぁ…!!」


 咲来(さくら)は、入って一番手前の席に座った。

 元林(もとばやし)はそんな咲来(さくら)を穏やかに見つめている。


「あっ…」


 席を立った咲来(さくら)は、隣のテーブルを見た瞬間、暗い表情になった。


「…咲来(さくら)柊人(しゅうと)のことは…残念だったな…」


 元林(もとばやし)はしんみりとした顔をして、咲来(さくら)の肩に手を置いた。


「…」


 咲来(さくら)はしばらく下を向いて黙っていた。


「…あれ?零音(れおん)は?」


 咲来(さくら)零音(れおん)がいないことに気づき、我に返った。


――――――――――――――――――――――――


 一方、電気がついている廊下の方に向かった零音(れおん)

 その廊下のみ、奥まで蛍光灯が点灯している。


「なんでこの廊下だけ電気がついてるんだ…?」


 零音(れおん)は廊下の奥まで、恐る恐る進んだ。

 そして、その廊下の先にあったのは体育館だった。


「体育館…?」


 零音(れおん)は体育館の扉を開いた。

 体育館の中は照明が点いておらず、カーテンが閉まっているため真っ暗だ。

 そんな真っ暗な体育館の中心で、大の字になって倒れている人がいるのが、廊下の明かりのおかげでうっすら見えた。


「誰か倒れてる…!?」


 零音(れおん)が倒れている人に気づいたその瞬間、体育館の照明がすべて点灯し、倒れていた人は零音(れおん)の目の前に瞬間移動してきた。


「うわあああああ!!??」


 零音(れおん)は突然目の前に移動した男に驚き、後ろに下がった。

 その男は白いスーツに長い白髪、そして目元に白い仮面をつけている。

 アダムだ。


「アダム!?なんでここに!!?」


 零音(れおん)は、その男がアダムだと気づいた瞬間、拳を構えて臨戦態勢に入った。

 アダムは零音(れおん)の目の前から、右上のギャラリーに瞬間移動した。


「私は昔から体育館を独り占めするのが夢だった。広さ、明るさ、木の香り。いいと思わないか?」


 アダムはギャラリーで、柵に手をかけながら体育館を見回して言った。


「…え?」


 零音(れおん)は困惑した。

 敵のボスであるアダムがここいること、そして突然体育館を語り始めたこと、すべての意味がわからなかった。


「よくわからないけど…とにかく、僕と戦え!アダム!!」


 零音(れおん)はユーティライザーを装着し、オーバークリエイトマガジンを起動した。


《オーバークリエイト》


 そしてユーティライザーに装填した。


《ローディング》


「変身!!」


 ギャラリーにいるアダムを睨みながら、レバーを倒した。


《リバイトレオン オーバークリエイト アクティブ》


 零音(れおん)はオーバークリエイトフォームに変身した。

 変身が完了したのと同時に、アダムがギャラリーから飛び降りながら、怪人態になった。

 真っ白なその怪人態は、まるで天使のような姿だ。

 アダムは空中から、レオンに向かって殴り掛かってきた。


「ふっ!!」


 レオンはバックステップでアダムの攻撃を避け、着地したアダムに向かって殴り掛かった。

 アダムは体制を立て直し、レオンのパンチを片手だけで受け流した。

 レオンはひたすらパンチを繰り出すが、すべて片手で受け流される。


「っ!?」


 何度もパンチを繰り出しているうちに、強い力で右手を掴まれた。

 アダムは掴んだ手を払い、よろけたレオンの腹に右手から光弾を三発撃ち込んだ。


「ぐっ…!!」


 ひるんだレオンが顔を上げると、さっきまで目の前にいたアダムはいなくなっていた。


「消えた…!?」


 アダムはレオンの後ろに回り込んでおり、レオンに回し蹴りを食らわせる。


(後ろか…!!)


 レオンは咄嗟に輝石で回し蹴りを防ぐが、威力が強すぎてレオンは輝石ごと吹き飛ばされた。


「ぐああああああああああっ!!!」


 レオンは体育館のステージまで吹き飛ばされた。

 壁に衝突するその瞬間、アダムはステージの上に先回りし、吹き飛んできたレオンを受け止めた。


「あまり壊したくないんだ。暴れないでくれ。」

「うああああっ!!」


 レオンはそう囁いてきたアダムに向かってパンチを繰り出したが、アダムの姿は一瞬にして消えた。


(また消えた…なんの能力だ…?)

「ぐあっ!」


 レオンがそう考えていると、後ろから攻撃を食らった。

 アダムの姿はまだ確認できない。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「私はアダム。選ばれしものたちを正しい方向へ導く、希望の光だ。」


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


(もしかして…光か…!!)


 レオンは昨日、アダムが言っていた言葉を思い出し、アダムの能力を推測した。


「ぐあっ!!」


 そんな推測をしている間も、アダムは襲い掛かってくる。


(アダムは僕の隙をついてくる…今の僕の隙は……右斜め後ろ!!)

「おおりゃああああああ!!」


 レオンは背後に腕の形の輝石を生成し、パンチを空振りした。

 パンチと連動して伸びた輝石は、背後から接近していたアダムに直撃した。


「くっ…!」


 アダムはステージから吹き飛ばされ、体育館の床に転がった。


「今だ!!」


 レオンはレバーを起こして倒した。


《リローディング》

《オーバークリエイトフィニッシュ》


「はああああああああっ!!!」


 そして空中に飛び上がり、足に円錐状の輝石を纏ってキックを放つ。


「動くな。」


 アダムがそう言って拳をぐっと握りしめると、レオンは空中でキックの体制のまま静止した。


(なんだ…?体が…動かない…!!)

「ふっ…!!」


 アダムは空中で止まっているレオンに向かって指から光線を撃ち込んだ。


「うああああああああぁぁぁ!!!!」


 光線が直撃したレオンは空中で爆発し、強制変身解除して床に落ちた。


「くっ…うう…」


 零音(れおん)は床に転がり、もがき苦しんでいる。


零音(れおん)!!」

零音(れおん)くん!!」


 爆発音を聞きつけた咲来(さくら)元林(もとばやし)は、体育館に駆け付けた。


「なんだ…!あの怪物は…!?」


 元林(もとばやし)はアダムの姿を見て言った。


「…」


 アダムは人間態に戻った。


「…この校舎の解体を中止してください。さもなければ、我々は解体業者を襲撃します。」


 アダムは元林(もとばやし)に向かってそう言い残し、姿を消した。


零音(れおん)!!大丈夫!?」


 咲来(さくら)元林(もとばやし)は倒れている零音(れおん)のもとに駆け寄った。


「ハァ…ハァ…母ちゃん…あれはアダムだ…」

「アダム!?あれが!?…なんでここに…?」

「あ、アダム…?」


 元林(もとばやし)は一人、状況を理解できずにいた。


――――――――――――――――――――――――


 三人は家に帰り、零音(れおん)咲来(さくら)に怪我の手当をしてもらっている。


「やつは解体を中止しなければ、解体業者を襲撃すると言っていました…。目的は不明ですが解体は中止した方がよさそうですね。」

「うん…造町中学校の校長先生に相談して、旧校舎の解体は中止してもらうことにするよ。」


 椅子に座っている元林(もとばやし)は深刻な顔をしながら言った。


零音(れおん)くん。怪我は大丈夫かい?」


 元林(もとばやし)は立ち上がり、零音(れおん)のもとに来た。


「はい、大したことありま…イテテテ…」


 零音(れおん)は腹を押さえた。


「お大事にね。じゃあ僕はそろそろ帰るよ!零音(れおん)くん!これからもお母さんを大切にするんだよ!」


 元林(もとばやし)はそう言いながら右手を差し出して握手を求めた。


「…はい!!」


 零音(れおん)元林(もとばやし)と強く握手を交わした。


 三人は玄関に移動した。


「先生!私同窓会行きます!」


 咲来(さくら)は帰ろうとする元林(もとばやし)に言った。


「おお!そうか!同窓会は来年の4月29日だ。次は同窓会で会おう!!」

「はい!!」

「それじゃあ!」


 元林(もとばやし)は手を振って、玄関を出た。

 咲来(さくら)零音(れおん)も手を振り、元林(もとばやし)を見送った。


(…アダムが造町中学校の旧校舎の解体を阻止…?一体なぜ…?)

「母ちゃん!お腹すいた!!」


 考えている咲来(さくら)零音(れおん)は言った。


「そうね…ご飯にしよっか!なに食べたい?」

「カレー!!」

「おっけー!」


 咲来(さくら)は考えるのをやめ、キッチンに向かった。


「あ、零音(れおん)!あなた最近無茶しすぎだから、しばらく変身禁止ね~。」

「えー!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 校舎に一体なんの理由がアダムにあるのでしょう…。とても気になります…!
2022/09/12 20:33 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ