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ステータス

「これで僕の話を信用してくれるかな?」


鎧を纏ってる男が再度問い掛けてくる。

この光景を見て、今起きている事が異例の事態だということ感じたのかギャルも騒ぐのをやめた。


「時間があまり無いから急足で説明するよ。

さっきも言った通り、君達はこれから異世界で魔物を狩ることになる。

魔物というのはゴブリンだとか、ゲームの世界に出てくるような生き物だと思って。

実は魔物を倒すために、君達は既にある能力を手に入れているんだ」


「まさか…スキル、と、とかですか」


かすれた声の女性がそう言うと


「そう!さては貴方、こういう異世界転移ものの小説とか見てますね!

こちらとしても話が早いので助かりますよ。

今から自分のステータスを皆さん確認してください。『ステータス』と言えば見れるので行ってみてください」


俺もそれらの小説とかを見たことあるが、お約束のステータスという概念があるらしい。

何だか本当にフィクションの世界に入ったみたいで…正直ワクワクしてきた。


「ステータス」


内野がそう呟くと、目の前に奇妙な物体が現れた。RPGゲームのメニュー画面に出てくるようなものだ。

画面は半透明の青で、白い文字で色々書かれている。

右側の方には【インベントリ】【ショップ】などの項目があったが、一番最初に目に付いた所にはこう書かれていた。

-----------------------------------------------

内野(うちの) 勇太(ゆうた) 

【レベル1】 SP5 QP10

MP 48

物理攻撃 4

物理防御 3

魔法力 2

魔法防御 2

俊敏性 3

運 5


【スキル】

・強欲lv,1()


【パッシブスキル】


---------------------------------------------


…このステータスは高いのか?

これだけを見る限り高いとは思えない…それに『運』が一番高いのも心配だ。


内野は自分のステータスに不安になり、ふと前にいるスーツの男の方を見る。が、スーツ男は何も無い空間をただ見つめている様にしか見えなかった。


「あ、このステータス画面は自分以外は見ることができないよ。

みんな自分のステータスを見終わったかな?

なら僕にどんなステータスなのか教えてもらっていい?」


ん、知らない人に個人情報を渡して良いものなのか?

俺も異世界転移系の小説は多少見るから分かるが、ステータスを教えるという事は自分の弱点を教えるようなものだったりしないのか?


内野がそんな事を考えているうちに、前にいるスーツの男がステータスを読み上げる。

-------------------------------------------- 

【レベル1】 SP3 QP10

MP 51

物理攻撃 7

物理防御 5

魔法力 3

魔法防御 2

俊敏性 4

運 3


【スキル】

・一閃lv,1 (5)

 

【パッシブスキル】

・剣術lv,1 

・闇耐性lv,1

--------------------------------------------


「僕のステータスはこんな感じでした」


「おお、初期ステータスとスキル共に結構優秀だね。

参考までに言っておくと、初期ステータスの平均は4だよ。だから物理攻撃が7なのはかなり優秀だよ。

それに闇耐性っていうのは初めて見るスキルだし、レアなスキルかもしれないね」


平均が4…って事は俺のステータスはほとんど平均以下だと…


「次は…わ、私が言いますね」

--------------------------------------------

【レベル1】 SP3 QP10

MP 54

物理攻撃 2

物理防御 4

魔法力 6

魔法防御 4

俊敏性 2

運 3


【スキル】

・ポイズンlv,1 (10)


【パッシブスキル】

・耐性獲得効率上昇lv,1

・闇耐性lv,1


--------------------------------------------

髪がぼさぼさの女性はステータスを読み上げる。


平均すると俺と同じくらいのステータスか。


「ま、また闇耐性ですか…闇とは一体…

後で仲間にもこのスキルを知ってるか聞いてみます。

でも毒系統のスキルはかなり使えるので良いですね」


女の人のスキルを聞くと、男の人は真剣な表情でブツブツ呟く。


この女の人はステータスが低い分使えるスキルを持っているのか。

俺のこの『強欲』ってスキルはどうなんだろう。


「あの~僕のスキr…


「次はあたしの番ね!」


『強欲』というスキルについて聞こうとしたタイミングで、ギャルが前に出て話始めた。

内野は家族や友人以外と話す時以外はどうしても小声になってしまうので、内野の声はギャルの声に簡単にかき消されてしまった。


やっぱ陽キャは苦手だな…

--------------------------------------------

【レベル1】 SP4 QP10

MP 55

物理攻撃 4

物理防御 3

魔法力 5

魔法防御 4

俊敏性 3

運 4


【スキル】

・ヒールlv,1 (10)

・アイスlv,1 (10)


【パッシブスキル】

・MP自動回復速度上昇lv,1

・闇耐性lv,1

--------------------------------------------

おっ見た目に反してステータスはヒーラーっぽい。


「おおおお!ヒールだ!しかもMP自動回復持ち!

何かまた闇耐性があるけど関係ない!やったぁ!」


ギャルのスキルを聞くと、急に鎧の人のテンションが上がり、ギャルの手を握って喜ぶ。


反応を見る限り、ヒールはかなりレアなスキルらしい。

それにしても凄い喜びようだな…


「そ、そう?あたしそんなに凄いかしら?///」


ギャルは手を握られて、嫌がるどころか満更でもなさそうな顔をしている。


まぁ、相手はイケメンだしな…やっぱ顔が一番ってわけか。


「よし、次はそこの君の…


鎧の人がそう言い終わる前に、広間にいた大人数の人たちが騒ぎ始めた。

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