表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/41

第5話 神の左脚

物語の設定の説明回です。次回は、もっと物語を進めていければと思っています。

まだホームルームは終わらない。先生は水晶を机上に出すよう指示した。


「とりあえず、明日の実習の仮ペアを決めます。そして、この学園の制度上…サイファー王子」


ここに、と彼は教壇の上に彼を呼ぶ。

 

「そして、リージェン様、グレン様も。ここに」


 三人が壇上に上がる。サイファー王子とリージェンは立ち姿にも気品がある。対するグレンは片方の足に体重を乗せ、だらしない姿勢で立っている。クラスメイトの前でよくもそんな態度がとれるものだ、と冷めた目を向ける。が、担任の言葉に飛びのくことになる。


 「あとは、ラル、ギン。おいで」


 「っはい!」


 びっっくりした!!なぜ呼ばれた?え、まさか入学式で爆睡していたことが、ついにバレた?それなら、密告者はリージェンしかいない。いや、そんなまさか。


 一人で騒いでいた脳内が、ギンと呼ばれる生徒を見た途端、静まった。


 さっきの、オッドアイの青年だ。相変わらず表情の読めない顔だ。…相変わらず?

初めて会った癖に、どうも昔馴染みのように接してしまいそう。


 隣のクレアに心配そうな顔を向けられながら、席を立ち、ドギマギして皆と向かい合う。


 静まった教室を見渡し、厳かな雰囲気で先生は言った。


 「ここで、君たちがおそらく知らない話をしよう」


―エトナ神が分けた8つの分身の加護は現代まで、脈々と受け継がれている。その分身の通称は、【神の右手】【神の左手】【神の右脚】【神の左脚】【神の右眼】【神の左目】【神の右耳】【神の左耳】。そして、加護を受けたその者は[最高使徒]として王族、位の高い貴族にその身を捧げるのが定石。[使役者]となる王族貴族もまた、その身を国に捧げる。


[最高使徒]ではなくてもAクラスに所属している生徒は、ギルマ学園の事前調査によって素質を見出された者達だ。それぞれ強力な能力を持ち、稀有な守護霊をその身に宿らすことができる。[使役者]も同様に。


そして、と先生は一呼吸置いた。


「[使徒]は皆、孤児です。理由は分からない。そして、[使役者]は皆、歴史的に高名な者の血筋です。これは差別的な発言をしている訳ではないですよ。何故か、そのような括りになってしまう。詳しいことは、【聖職課】が解明してくれるでしょう。

…長くなりましたが、ここからが本題です。ラル、ギン。今まで知らなかったでしょうが、君たちは[最高使徒]です。ラルは、【神の左脚】。ギンは【神の右眼】。驚きましたか?」


「……」「…と、とても」


ギンは無言だ。私は驚きすぎて声が出ない。神の、左脚…。そうか、だから、私の左足には謎の模様があったのか。孤児院の子たちのいたずら、それもタトゥー的なものかと思っていた。無意識に、黒のストッキングに手を伸ばす。


…待てよ。


『[最高使徒]は、王族、高貴な貴族にその身を捧げる』…。そして、壇上には、私とギンという二人と、サイファー王子とリージェン、そして…グレン。まさか。


「そのような理由で、この五人は優先してペアを組んでもらいますね。組み合わせはどうします?」


「あ、あの!私、リージェン様がいいです!」


これは即断だろう。彼以外は却下。やたら女子の視線を集めるサイファー王子も、やさぐれ反抗期のグレンもお断りだ。


「リージェン様、よろしいですか?」


「はい。問題ありません。よろしくね、ラル」


ほっとした。これで明日は安泰だ。


ギンという青年は、サイファー王子と組んだらしい。残ったグレンは、他の人とランダムに組んでいた。水晶に提示された色を照らし合わせながら、各々がペアの人と挨拶を交わす。


グレンの相手の方、ご愁傷さまです。


ここまで閲覧していただき、ありがとうございました!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ