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第四話 「十剣聖」

 あの男、本当に何を考えているの? このままじゃ溜まってる仕事も手につかないわ。魔王代行として失格ね。


「リリア様、どうかされましたか?」


「あなたは、魔王軍十剣聖の一人のベール様。ノックぐらいしてくださいよ」


「これは失礼」


 少し笑って頭を下げた。

 この方は魔王の十ある騎士団、十剣聖の一つ、マタイ団団長のベール・ゼブブ様。父とは親しくしている昔からの友人と聞いている。


「実は、ゴブリンの村が先程襲われて、それを助けに行ったのですが、次何をされるか少し怖くて」


「残っている村は後西の村だけですからね。あそこが潰されてしまえばもうゴブリンは全滅‥‥‥」


 先程とは違い、ベール様が曇った表情になる。


「一応騎士を何人か向かわせましたが、それでどうにかなるのか‥‥‥」


「ちなみにどの騎士団を?」


「ヨハネ団を行かせました」


 ヨハネ団はアバドン様を団長とした十剣聖の一つ。アバドン様は5年ほど前に団長なったばかりで父とはあまり話したことがないと言っていました。

 アバドン様はとても優秀な方で、信頼も厚い方です。


「ヨハネ団、アバドンさんのところですね。なら安心でしょう。あの方もそう弱くはありませんから」


「だと良いのですけど」


 頭を抱え深くため息をつく。


「では、私は他の用事がありますので、また何かあれば」


「わかりました」


 少し笑って、ベール様は部屋を後にした。

 そしてベール様と入れ違いでトントンと部屋をのっくする音が聞こえた。


「どうぞ」


「失礼します」


 そう言って部屋に入ってきたのはアレクだった。


「アレク、どうしたの?」


 胸のポケットから手紙のような物を取り出した。


「実は先程こんなものが」


 その紙を開くとこう書かれていた。

  

「こちらの騎士アルフレッドが先程王国へ帰還した。だが、貿易を行おうと向かったゴブリンの村で襲撃を受け騎士の数名が死亡。こちらに敵意は無かったもののこのような襲撃を受けた。よってここに魔王軍の領地の半分の受け渡しを行ってもらう。もし返答がない場合、断った場合は即、宣戦布告を言い渡す」


 何なのこれ、頭がイカれてる! しかもアルフレッドがこんなに早く帰れる訳がない! 元々これを狙っていたのね! 殺されたのはこちら側のゴブリンなのに! 私達が戦争を避けているのを分かっていてやってる! 卑怯だわ!

 

「どうなされますか?」


「‥‥‥アレク、筆と紙を用意して。どうにか交渉を行ってみる」


「かしこまりました」

読んでいただきありがとうございました!

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