43 さあ出発?
「皆さん、おはようございます」
今日も朝からいい天気。絶好の旅日よりです。
今日は早速、シエレンの町を出発です。
途中、峠を越えないといけません。さらに魔物は比較的少ないが途中に危険箇所と
悪路があるということなので、換えの車輪も準備しました。
食料と水も注文していたものが準備されています。
まだ眠い目を擦り頑張って早起きして、取りかかりました。
「さあ、皆さん。出発ですよ」
誰も起きてこないので、起こしにかかります。
「おはよう……」
ようやくごそごそ皆さん起きてきます。
なんか反応が変。
「あの……皆さん?」
返事がありません。
「うわ……」
シルヴァさん。明らかに寝不足で大あくびです。髪もぼさぼさ。
「研究、やりすぎましたです」
ふわっと大あくび。寝落ちしてしまったのか涎のあとが見えます。
「うう……頭、がんがんするよお」
ルビーさん。ベッドから起きあがりもせず、苦しんでいます。二日酔いです。悪いお酒を飲むからです。
「金の亡者め……」
昨日、寄付ができなかったマリーさんは、今にも私を呪い殺しそうな隈を目の下に作ってにらんできています。
「へっくしょっ」
勇者様は、昨日、裸で町をうろついたため、風邪気味だそうです。
「しゅっぱつ……しま……すか?」
言いかけましたが、それ以上何も言えませんでした。
結局、もう一日この町にとどまることにしました。




