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15 やっぱりおかしい?

 結局勇者様の様子が気になる件については具体的解決案は何もでませんでした。

 ついでにエレーナ(わたし)から勇者様にそれとなく理由を聞いて欲しいと頼まれたので引き受けることにしました。

 まあ、いいだしっぺですし。


「では行ってきます……」


 たき火を離れて、湖畔へ。

 早速勇者様のもとへ向かいます。

 いました。

 確かに朽ちかけの倒木に腰掛けて空を眺めています。

 向こうも近づいてくる気配に気づいたようです。


「やあエレーナか。ゆっくりしてていいんだよ、気にするなっていっただろう」


 一人夜の虫の声を聞くと称してたき火から離れて、朽ちた倒木に座っていた勇者様の隣に座ります。


「あの……勇者様」

「なんだい?」

「最近、一人でいることが多くありませんか?」

「え? そうかな?」


 旅が始まった頃の輝かしい顔。

 旅を始める前の勇者様は男だらけの旅と思っていたようでしたがメンバーはどちらかというと、女性が多め。

 それを知り、初期の頃はそれは発情期の暴れ猿のようにはしゃいでいました。

 そして皆さんの胸を一生懸命見てたのを覚えています。

 私の胸を見て、やや残念そうな顔をしていたのも気づきました。

 ああ、これから長い旅をご一緒する私たちの勇者様はおっぱい星人だなと思ったのも鮮やかに思い出されます。


「わたしたちが勇者様を蔑ろにしてしまっているのではないかと」

「ははは、そんなこと無いさ」

「なら……故郷が恋しくなったとかですか?」

「リックの奴じゃないし」


 勇者様も苦笑いしてしまいましたか。


「そうですか。でも……お疲れのようにもみえますが」


 ひょっとしてこれは倦怠期のようなものかもしれない。

 いろいろな子がいて、気を使わなければならず、徐々に疲れてきてるのかも。

 などと思っていたらーー。 


「心配ないさ、俺は全然元気、そう言われるとむしろ心外だぜ?」


 勇者様は立ち上がって、またもどこかへ行こうとします。


「じゃあ、その辺を警戒に行ってくる」


 あれこれ聞くのもかえって迷惑だと思うので、これ以上聞くのは止めとくことにしました。

 危険地帯はあらかじめわかっているので、この辺りは比較的安全だとはおもいますが、油断は禁物です。


「わたしも行きましょうか?」

「い、いや、大丈夫だ、本当に、先に水浴びでもしてこいよ、こっちはやっとくからさ」


 おやレディファーストとやらですか?

 去っていく姿を見送った後に、たき火へ戻ります。


「エレーナ、どうだった? 勇者様は」


 朽ちた丸太に腰掛けていたルビーさんが顔をあげました。

 首を振ります。

 そっか、と他の皆さんも顔を戻しました。

 あまり関心ないですね。

 独り相撲やってるみたい。

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