彼女とともに
1
ついに掘り当てた。
いや、探し疲れた。
この世界は無常だ。在るものなど無い。
それでいいだろ、疲れた。
世界も無い。無しかない。何も無かった。
探す資格も無かった。
無いのに生きる。
この矛盾を癒やしてくれ。
どうやって?
いや君の側に、常に既に。
ああ、確かにね。
だがどうやって呼ぼうかな?
気づいてくれるかな?こう呼ばれるのは不満かな?
言葉、ことのは、ことば
概念、論理
それとも、ロゴス?
あなたに寄り添ってほしいんだ、こんな冷たい夜にはね。
2
そこに無意味がある。
それは無意味でしかない。
この馬鹿らしさから逃れたかった。
そのために無意味に飛び込んでみたり、自己のうちの虚空を見つめたり。
常ならぬものの無情からは逃れることはできない。
ようやくこのことがわかった。
真理なんかどうだっていいさ、こころの慰めに較べるならば。
言葉たちよ、美しきミューズたちよ!
俺を慰めておくれよ…哀れな俺を…。
言葉に魅了された者よ。
すべての言葉が強調符を身に纏って、お前の目の前を踊っているのだろう。
言葉が蝶となり、論理を舞っているのだろう。
ああ、それは美しいさ。
だが、絶望しないでくれ。それはやさしいのだ。
すべての美しきものはお前を裏切るが、言葉はあなたのこころを裏切らない。
ねぇ、そうでしょう。
そうであってくれ。
哀しき精神病者よ、安らかに。