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自由気ままな操血女王の転生記  作者: シンG
第二章 操血女王の平民生活
70/228

40 新しい宿泊先は

いつも読んでくださり、ありがとうございます(*'ω'*)



 あの慌ただしくも、確かな進展があった日から二週間が経った。


 わたしは「魔法」という秘密の一つを一部とはいえ、早々にカミングアウトできたのは良かったと思える。


 レジストンとはまだ浅い関係だし、それ以前に敵方である平均オジサンたちの前で披露したことは浅慮と言わざるを得ない行為だったと反省はしているが、そんなことより、近しい存在であるプラムにその存在を伝え、彼女がわたしと距離を置くような事態にならずに済んだことのほうが僥倖であった。


 しかし魔法を目の前にしても「セラちゃんって凄いんだねぇ~」の簡単な感想だけで順応するプラムは、色んな意味で大物なのだろうなと思わせる。


 間違いなく「魔法」という力はこの世界では特異なものである。

 それはレジストンたちの目を瞠る様子から明らかに読み取れた。


 つまり逆を返せば、気のままに使っていい力でもない、ということ。


 あの日、魔法の表面的な浅い部分だけ、わたしは彼らに話をした。


 魔力という力が存在すること。


 魔力を用いて、事象を想像し、その想像に沿って魔力を制御し、顕現させる技法を――魔法と呼ぶこと。


 そして体内の魔力を過度に使いすぎると、先のわたしのように嘔吐や頭痛、眩暈……最悪は気絶に至るということ。


 まあ、いきなり魔法の真髄に近い話をしたところで通じないだろう。

 彼らにとっては全てが新鮮な情報なのだ。


 だから、わたしは意図的に「他人が知ったところで、わたしにとっては不利益になり得ない」と判断した情報だけを流したわけだ。


 もっとも――わたし自身も利便性が高いと感じている魔法であり、この世界では浸透していない能力なので、当然、他者の欲目の先に立つ危険性が高い。故に話をすること自体が不利益に繋がりかねないわけなのだが、まあ……いずれはどこかで露見してしまっていただろうとも思う。


 どうにもこの世界も完全な平和というわけでもなさそうだしね。


 プラムを護るために今後、反射的に魔法を使う機会はいくらでも訪れそうだ。だったら、少なくとも長年の勘で感じる――まあまあ信頼できる人たちの前で予め「繋ぎ」を張り、いざという時に協力関係を結べるような体制を取っておいた方が安全だろう。


 あのレジストンは――どうにもわたしのそういった考えを見抜いているのかどうなのか……態度からではよく分からないけど、そんなわたしのシナリオに乗ってくれた。


 ――魔法は無暗に使用しないこと。


 ――恩恵能力アビリティが<身体強化テイラー>であることを伏せ、万が一、魔法を使用せざるを得ない場面に相対した場合は、魔法の力を恩恵能力アビリティとして周囲に振る舞うように。また、この場にいる人間も彼女のその設定に口裏を合わせるように。


 ――この場にいる人間は魔法については箝口に徹すること。


 そういった条件を口にし、守らなかった者に対してはそれなりの代償を支払うことになるから覚悟するように、と彼にしては珍しく真面目な口調で室内の者たちに宣言していった。


 特に平均オジサンとオレンジ少女に対して強く言い含めており「約束破ったら殺すからね」と小さく彼らに呟いた時のレジストンは……正直、わたしもぶるっと震えるほどの恐ろしい存在であった。それを真正面から受けた平均オジサンたちは……ご愁傷様、としか言いようがない。


「魔法については実に興味深いし、セラフィエルさんに不都合が無ければ、我々にご教授いただきたいものだけど……今は、君に対して注目する別の者がいるからね。そいつらがどう動き、どう関与してくるかを読み切れていない以上、下手に魔法に手を出すのは危険だ。だからこの件が片付いたら、また相談に伺ってもいいかな?」


 と、レジストンは一通り注意事項を言い放った後、確認を入れてきた。


 まあ、ぶっちゃけると前世まで多くの魔法使いが跋扈する世界で、それも常に戦時中という殺伐とした世界を生きてきたので、魔法が広まろうが秘匿されようが、わたし自身はそんなに気にしていない。


 けれど――この世界特有の恩恵能力アビリティ

 この存在を軽視することはできない。


 恩恵能力アビリティは魔法のように自然現象の延長線上を顕現するような分かりやすいものではなく、どちらかというと魔法では手の届かない痒い部分に触れることができる特異能力でもあるのだ。


 レジストンの<模写解読システィダック>がいい例だろう。人の身体的特徴や恩恵能力アビリティの有無を視覚を通じて得るなど、魔法では実現しようがないものだ。


 同時にわたしの<身体強化テイラー>みたいに魔法で類似した効果を得られる系統もあるから、全員が全員というわけではないのだけれど……場合によっては、恩恵能力アビリティと魔法、双方を持つ者がその相性によって、手に負えない存在になってしまう可能性がある、というわけだ。


 単純な魔法合戦なら、(従来の)わたしならば、後れを取ることはない。


 けれど、例えばそこに「瞬間移動」的な恩恵能力アビリティを持つ人間が敵対し、その者も魔法が使えるとしたら? やりようによっては、抵抗もできずに瞬殺されてしまう可能性がある。


 そこまで考えてわたしは、


「そうですね。もう少し……皆さんのことを知ってから、考えたいと思います」


 と、微笑みながらレジストンに返した。


 その対応に、ディオネは「へぇ」と口の端を嬉しそうに上げ、レジストンは何度か瞬きした後にうんうんと頷いて了承した。



 それからは現状把握の時間だった。



 魔法については一度終わりとして、まずは平均オジサンとオレンジ少女の名前と能力を教えてもらったのだ。


 平均オジサンはマクラーズというらしい。

 以上。


 特に何の感慨もなく「ふーん」という相槌だけで終えると、どことなく不満げな非情を浮かべたが彼は結局、何も言わずに口を閉ざした。もしかしたらこういう淡白な反応について、何かしら思う経験があるのかもしれない。


 41歳らしいけど、こういった危ない橋を渡るような仕事を請け負っている時点で、平坦な人生を送れなかったことは何となく察した。オジサン、やってる仕事はあくどいけど、どこか憎めないというか……そこまで悪人に見えないのよね。


 そして次。

 これが問題だ。

 オレンジ少女……彼女の名前はヒヨヒヨというらしいのだ!


 ヒヨヒヨ!


 彼女が視線を逸らしつつ自分の名前を呟いた時、何かの罰ゲームでヒヨコの物まねでもしろと言われてるのかと思ったが、なんと! まさかの本名とは!


 急に彼女の癖っ毛が鳥の羽のように見えて、何だか微笑ましい気持ちになってしまった。猫耳が似合うと思ったけど、ふむ……鳥も悪くないかも。


 彼女は人と亜人との間に生まれた子、半亜人という種族らしいので、きっと両親のどちらかは鳥の亜人に違いない!


 いいなぁ……魔法とかはもう見飽きて何の感動も得られないけど、亜人なんて初めて見たのだ。もうそりゃ、ワクワクする。鳥ということは……きっと、亜人特有の技能で、両手から翼が生え、空を飛べるに違いない! いいね、なんだかこの世界がより一層、色づいて見えてきたよ!


 ――というわたしの振り切れたテンションの上がりっぷりに、思いっきり顔をしかめていたヒヨヒヨ――いや、もうヒヨちゃんと勝手に呼ぼう。


 そのヒヨちゃんは「違うからな」と低い声で訂正を入れてきたのだ。

 そう――訂正を。


 何となくその訂正は、わたしの夢とか希望をぶち壊すものに思えたので、わたしは話を変えて彼女に「好きな動物は何ですか? 小さな鳥とか可愛いですよね」と、ほんわかと微笑みながら話しかけた。あ、あんまり話変わってなかったね、と薄っすら思ったけど、些細な誤差だと思って気にしないでいた。


「チビスケ! だから私は鳥じゃ――」


「はいはい、そんな議論はどうでもいいから次に進もう」


 レジストンが横から入り、パンパンと手を叩いたことでヒヨちゃんは「ぐぅ!」と悔しそうに口を何度か開閉して……結局は口をつぐんだ。


 多分だけど……今の雇用主(レジストン)の意向を遮ってまで横道の会話を続けることの不利益を理性で測ったのだろう。レジストン……この短時間で彼女たちに一体、どれだけの釘を刺したのだろうか。怖くて聞けない……。


 結局、行き場のない想いを視線に乗せてヒヨちゃんはわたしを睨んできたので、わたしも思わず見つめ返してしまった。


 すると、彼女は数秒の間に徐々に額に汗を流し、最後にはわたしから目を逸らすようにして横を向いてしまった。よく見れば平均オジサンもどことなく、わたしに対して他所他所しい雰囲気を感じる。なんだというのか。レジストンならまだしも、わたしに対してその態度は酷い。わたし、レジストンと違って、そんなに怖くないよ~。ほら、ヒヨちゃん、こっち向いて!


「あいたっ」


 何故かレジストンに軽く頭頂部を小突かれた。


 言葉にするほど痛くはなかったが、その後に彼がニコッと魔王を彷彿とさせる笑顔を向けたことで、わたしは静かに黙ることにした。あの人の<模写解読システィダック>は人の心すらも読めるんじゃないかと疑ってしまう。


 その後、マクラーズが持つ恩恵能力アビリティは<恐慌演出ビオフローフ>というらしい。


 やっぱりというか、ほぼ確信に既に変わっていたけど、やはりわたしが視たあの八腕の異形は幻覚だったようだ。


 彼の自供によると<恐慌演出ビオフローフ>は対象との視線を合わせることで発動する精神作用型の能力であり、対象が「恐怖対象」として記憶している存在を目の前に具現化する能力だそうだ。具現化、といってもあくまでも幻影の類で、それに実体は存在しない。わたしが見た八腕の異形も目に映る幻覚であって、他の人には何も見えないし、実在もしていなかったそうなのだ。


 幻覚とはいえ、あれだけのリアリティを対象に与えるのだから、<恐慌演出ビオフローフ>とはかなり危険度の高い恩恵能力アビリティに思えたのだが、実はこの能力、同じ対象に二度使うことができない上に、恐怖を感じる物がない人間に対しては不発で終わるというデメリットもあるらしい。


 つまり、わたしに対しては二度使われることはない、ということだ。


 とはいえ、完全に安心などできない。


 ディオネの恩恵能力アビリティがわたしと同じ<身体強化テイラー>であることも教えてもらったわけだが、それが指し示すことはつまり――同一の恩恵能力アビリティを持つ人間がこの世にはいるということ。


 <身体強化テイラー>は比較的人口が多く、逆にレジストンやマクラーズみたいな能力はあまり重複が見られないらしいのだが、可能性はゼロではない。


 ということは今後も同じ目に会う可能性もあるし、マクラーズと類似した能力だって存在するかもしれないわけだ。ますます恩恵能力アビリティの利便性、その脅威を認識させられる話だった。


 注意していてもどうにもならないことは多々あるだろうけど、今後、不可解な現象が目の前で起こったら、十中八九、恩恵能力アビリティのせいだと考える覚悟は持っておいたほうがいいだろう、とわたしはグッと心を強く持った。


 とまあ、そんなこんなで話が進み、わたしの気絶タイムの所為でもあるのだけれど、あっという間に日は暮れてしまい、お開きの時間となってしまった。


 レジストンに今後はどうしたらいいか尋ねると、もう囮はしなくてもいい、と言われてしまった。

それもそうか。


 囮は銀糸教の尻尾を掴むための飴。それがまさかの初日でノコノコと尻尾マクラーズたちが現れてしまったのだ。作戦は成功であり、もう無暗に囮になる必要性も消えた、というわけだ。うーん、トントン拍子過ぎて、ちょっと不安になってくる。


「ああ、あとね。プラムさんは引き続きだけど、今後は君にも外出を控えてほしいんだ」


「え?」


「もう危険を冒す必要性は薄れたからね。後はジワジワと指先から中心に進行して、その心臓に辿り着くだけだからね。そのためには君という存在が外で姿を現すという行為は可能な限り、避けたいんだ。食事もできれば部屋の中で済ませてほしい」


「えぇーっと……この部屋には調理場もありませんし、木造なので火もおこせません……。外に買い出しにも行けないとなると、どうやって過ごせば……」


「ああ、それはディオネが引き受けてくれるさ」


「……それも依頼の一部か? なんだか護衛というより違う何かにズレてきているような気がするんだが……」


 レジストンの振りに、ディオネは眉を動かして疑問を投げかけた。


「立派な護衛だろ? 身の回りから食事の世話だって、命を護るための行為だ」


「……む? そ、そうか……?」


「そうだよ。何ならディオネもこの部屋に泊まったら? もちろん宿屋には内緒のお泊り会になるけど。そっちの方が親睦も深められるし、彼女たちが何に困っているか把握しやすいんじゃない?」


「……」


 ディオネは一瞬考える素振りを浮かべたが、すぐに首を横に振った。


「それはできないな。無賃滞在は違法行為だ」


「そうかい? ま、ディオネらしい解答だね」


 くつくつと笑うレジストンは、数秒後に「ああそうだ」と話の本筋を戻した。


「そういえば、あと数日でここの連泊制限の日になっちゃうんだっけ?」


「あ、はい。次の宿を探すのに……やっぱりどうしても王都内を歩かないといけないですね」


「いや、それには及ばないよ。次の宿先は決めてある」


「へ?」


 そんなやりとりが二週間前。


 今、わたしとプラムは――以前、夕食を口にしたフルーダ亭の一室にその身を置いていた。



*****************************************



 まあ……宿泊場所、というか、軟禁場所、というのが正しいかも。


 わたしは窓から差し込む日差しに起こされ、う~~~ん、と上半身をベッドの上で伸ばす。


 もはや毎朝の通過儀礼となったプラム起こしを行い、相変わらず朝に弱い彼女の手を引いて、わたしたちはフルーダ亭の中にある一画、水浴び場へと移動する。水浴び場の外側には古びた籠があり、わたしたちはそこにポイポイっと寝間着を放り込んで、素っ裸になって戸を潜った。前日に置いておいた白い洗濯済みのタオルがあることを確認しておくことも忘れない。


 本来ならば外の井戸から桶に水を汲み、ここで体や髪を洗ったりするのだが、今のわたしは遠慮せずに魔法を使うことができる。


 微量な魔力を消費し、二つの水球を宙に漂わせる。

 そして、わたしはそこに頭から突っ込んだ。


 横目でプラムも寝ぼけながら、ここ数日でようやく習慣化され始めてきたのか、同じように水球に頭を突っ込んだのを見て、わたしは魔力制御を行い、洗濯機のように水球の内部に水流を発生させた。


「あぶぶぶぶぶ……」


 最初は溺れているのではないかと心配になったプラムの声だが、どうやらこの水流が気持ちいいらしく、何となく口を尖らせて震わせることで音を鳴らしているだけらしい。だからわたしも特に気に留めず、そのまま髪ごと首から上を洗浄していく。


 シャンプーがあれば、水球に混ぜることで綺麗に汚れを落とせるのだが、残念なことに……この世界に香水はあれど洗剤や石鹸などは無いらしい。一部の貴族では高額取引されている化粧品として実在はするようなのだが、平民層には手の届かない代物である。


 程よいタイミングで、わたしは水球を前方に弾く。


 ビシャっと音を立てて水球が壁に当たって割れた頃には、次の水球を発生させた。今度のはわたしとプラムの体がすっぽり収まる程度の大きさだ。


 温度を調節。


 熱すぎず、ぬるすぎずの温度に留め、わたしたちはその中へと身を投じる。


「はわわぁ~……」


「ふぅ~~~……」


 二人して気の抜けた声を漏らすが、それは致し方ないことだろう。


 以前泊っていた宿もそうだし、一般的な家屋もそうらしいのだが、基本このフルーダ亭のように建物内に水浴び用の施設がある家屋はそう無いらしいのだ。


 平民であれば、一部の富裕層だけが持つ特権――というか、資金力がないと難しいらしい。


 やはり土地というのはそれなりに高額であり、クラウンや旅人たちなどは宿暮らしが多いし、王都暮らしの人々も誰かの管理している建物を間借りして住むことが大半だ。そういう状況で、水浴び場などの有れば嬉しいけど、無くても生活できる程度の施設を設置するというのは大層な贅沢というものらしいのだ。


 だからこうして人の目を気にせずに、湯浴みなどをできる場所を今まで得られず、これまでは魔法があったとしても軽く頭を洗う程度しかできなかった。魔法が無ければ当然、外の水場で大衆の目がある中で井戸の水で頭を濯がなくてはならなかった。


 それが今はどうだ。


 水場ということで大量の水を発生させても流すだけで済むし、なんたって他人の目を気にせずに裸になれる、この解放感。今までの環境を劣悪と評するつもりはないし、それがこの世界……ひいては王都の生活水準なのだろうが……やっぱりこういう場所は欲しいよね、と思う。


 そして何より――大量の水を使うことが可能な場所であるため、わたしは遠慮なしで魔法を使うことができるのだ。


 その結果、今は毎朝の恒例として、簡易温水プール、という水球を作り上げ、その中でわたしとプラムは疑似的な風呂を堪能することができていた。


 その幸せの証が声になって漏れても致し方ない、というわけだ。


 さて、こうしてフルーダ亭に移動してきたわたしたちの一日は始まるわけなのだが……二週間経った今も、レジストンからは外出許可が出ず、今日もまた軟禁状態の生活が始まるのであった。



2019/2/25 追記:文体と一部の表現を変更しました

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