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Fake the Heaven  作者: 霧島雅狼
第1部
4/6

弐 逃走




 「私ね、もう死んじゃうんだって思ったの 」




 森の中、少女は歩く。

 その後ろで狼はついて行く。




 「一人ぼっちでね、ママもパパもいなかったから

 でもね、だからもう痛い事は無いから大丈夫だよ! 」




 彼女は狼にそう笑い、歩き続ける。

 狼はじっと少女を見て、それから──少女へと手を伸ばす。





 「…やさしいんだね、オオカミさんなのに 」




 ぎこちなく少女の頭を撫でた狼に、彼女は笑う。

 それに対し狼はただ少女の顔を見て…彼女の頭を、相変わらず撫でている。




 「オオカミさん、でも大丈夫だよ…優しいオオカミさんがいるから! 」




 そう少女が言うと、彼は手を離し彼女を見る。

 ──しかし。




 「…ッ! 」




 突然彼は身を屈め──そんな彼の真上を何かが飛んで行った。



 「えっ、お、オオカミさん? 」




 彼は彼女を抱え、そのまま逃げる様に走り出す。

 飛んでいった"何か"は木に刺さっており…それは、動物用の麻酔針だった。






────────────





 『こちら富田、Nで造られたらしき動物を発見

 麻酔針を発射したものの対象から逃げられる、対象は北東方面に逃走

 至急応援求む 』




 『了解こちら板橋、小隊を展開し捕獲作戦を決行する 』






 「公安の奴らも中々やりますね 」




 「そりゃそうだろ、奴らは公安の中でも対日本創研の為の一応の日本側の切り札の11係だからな

 …ま、俺たちの組織の方が情報を掴んでいるのは事実だが 」




 山中近くに停められた黒いワゴン車、その車内で警察無線を聴きながら部隊アルファの彼らは話していた。

 何人かは身につけていた目出し帽を脱いでおり、彼らのその顔は、日本人では無く外国人のものだ。




 「ま、実験動物が証拠として重要なのは分かる

 …それにな、あのエレベーターに乗ってたのはそいつかもしれないしな 」




 そんな事を言いながら隊長らしき男は黒い目出し帽を身につける。



 「でしょうね

 他にいるなら別ですが、内側から無理やりこじ開けられていましたし…扉が変形するレベルの力なんて人間は持っていませんよ 」




 「そうだな…よし! 」




 隊長は軽く手を叩き、こう言葉を続ける。




 「ケティ、ジョンソンはついて来い

 他の奴らはUSBメモリーの解析と、いつでも逃げられる様にしておいてくれ 」




 「いや、捕獲でしたら危険ですし何より…11係に見つかっても面倒ですよ 」




 その言葉に隊長はこう答える。




 「何、無理そうなら奴らに譲るさ

 …ま、捕獲できるならした方がいいし、な 」





短い気がしてとてもつらいです

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