序・或る男の独白
というわけでお久しぶりの体感2年ぶりでございます。
大学に入学し、色々落ち着いてきたので新作なんかを性懲りもなく書き始めました。
適当に読んでやってください、それから、ただいま!
…生命という存在には、限りがある。
「死は隣人であり、万人に等しく訪れる
だから死ぬ事は怖くはないさ 」
かつて、そんな事を言った男がいた。
組織を裏切っていると疑われ、処刑された男。
しかし男は、再び立ち上がり──始めて、組織にその牙を向けた。
周りの奴らは彼をこう呼ぶ、『狂気の復讐者』と。
だが私は想う、彼は最期まで──その身は畜生に堕ちようと、最期まで彼の心は変わらなかったと。
──私は、罪を犯したのだ。
そんな彼が…親友がその命に変えてまで護ろうとしたものを、私は護れなかった。
全ては、正義の為と信じていた。
親友は私の代わりに、自らを犠牲にしたのだ。
──だが、彼と交わした約束ですら私は…護れなかった。
きっとこの事実は、私たちがしてきた行いは全て闇に葬り去られる。
──私は、罪を犯した。
あまりにも多くの罪だ、償いきれない罪だ。
だから私は地獄に堕ちよう、だが──。
私には、やるべき事がある。
目の前に遺されたエレベーター、非常脱出用のその閉ざされた扉の横のパネルは、地上階に"彼"が出た事を告げている。
(…だから、後は )
僕は、ずっと握りしめていたリモコンに視線を写す。
(…少しはこれで、約束は果たせただろうか )
沢山の命を捨て、これから更にそれは増える。
ただ、全ては救えない。
だから私は、1の──本来なら0になるはずだった命を1つ救おう。
「…すまない 」
私は、たったひとつだけのリモコンのボタンを──押した。
次回もプロローグ(予定)
本編は3話目くらいからスタート?