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ささ家 ~~さっさと家に帰してください子供たちよ~~  作者: キャメルクラッチ
プロローグ
5/5

第5話

 俺はあのままベットで眠ってたらしい 起きたら夜になっていた。 11時か、これから散歩でも行きますか   さすがにこの時間は誰も外にいないようだな、よしよし子供はこの時間ぐらいに寝るのがいいからな。   


 よくよく考えれば日頃は外に出ていくときには必ず誰かついてきた、 1人で外に出るのも息抜きになっていいかもしれない。


「お父様、日ごろから私は言ってますよね。 外出なさるときは誰か人をつけてくださいと。 ニーナは悲しいです。 お父様はいつになったら自分がパイルドライバー家の重要さを理解してくださるのですか。あなたは外に1人で護衛もなしで歩いてもいい人間ではないことを自覚してください。」


 はあ、家から1歩出たら見つかっちゃいましたよ奥さん。 この国の軍服に身を包み腰には軍刀を刺した可憐な女性が馬にまたがって追いかけてきた。  


「ニーナよ、私は気分転換で散歩に出かけるだけだ。そこまで遠くに行くわけではない。護衛は必要ないのだ。この時間にわざわざ起こすのも迷惑だろう。ニーナお前も軍の駐屯地帰りだろう。家に帰って疲れをとるといい。」


「お父様、この家にいる者にとってあなたに仕えること以上の喜びはありません。それは私も同じことです。私たちはあなたに救われたから今があります。 言い換えてしまえばあなたがいなかったら私たちは今ここにいないということです。 ・・・・もしもあなたに何かあったら 私死にますからね。」


 お、重ぉ………‥‥‥ テトもそうだったが君たちは俺をこの国の王様かなんかと勘違いしてない? 違うよ?俺はただ言われるがままに君たちを買って金を出しただけだよ?  


 むしろ価値があるといわれればそれはこの子たちのことである。この子たちは様々な分野で超一流の存在であり国直々の依頼だって珍しくない。  この家の財政のほとんどはこの子たちの働きによって成り立っている。最近では財産管理も俺はしていないので完全にこの家での仕事はハンコを押すだけの機械と化しているのだ、自分で言っててなんだが死にたい。

 こんなただのヒモといっても差し支えのない俺にこの子たちは多額のお金を持ってくるのだ。 ただでさえ日頃の食事代は君たちの財布から出してもらっているにもかかわらず、だ。

 この子たちは俺に負け犬の気持ちを味わせたいらしい、 父親と慕う人物に対しこの収入の差を見せつける感じ

しかし俺はその金に手をつけてしまっている。この前も宝石買っちゃったし………


「ただ散歩するだけだ・・・むしろ護衛をつけて大ごとになることを懸念しろ。 1人で行動するほうがいい。」


「大事で構いません。私はあなた以外は基本どうなろうとかまいません。私はしがみついてもついていきますよ」


 くそう。こうなってしまえばニーナは死んでも放してくれないだろう。仕方あるまい、せっかく久しぶりの1人外出だと思ったのに・・・というよりニーナちゃん?その発言はこの国を守る軍人としてどうなのよ


「ニーナ めったなことを言うんじゃない、我々はこの国に生かされているんだ。ましてや君はこの国と民を守る軍人だ。その君が民を守らないなんてあってはならない。」

「ならば 国民であるお父様を守ることにします。 さあ乗ってください。」


 ニーナは馬にまたがったまま俺に向かって手を差し伸べている、しょうがない馬に乗るのも久しい。 俺は彼女の手の導かれるように後ろに乗った。


「お父様もっとしっかりとつかまってください・・・・そうです。もっと腰に手をまわして・・そう、それでいいです。これはいい、いいものです。お父様 どちらまでお出かけになられますか?」


ふーむ、特にどこかまでとは考えてなかったからな・・・・ 


「まあ、商店街あたりまででいいんじゃないか?コースは任せるよ。」


「わかりました。ではまいります。」


___________________________________________



静寂に包まれた暗闇の中 馬が駆ける音だけが響いている。

私の鼓動はお父様に聞こえてはいないだろうか 私の腰にしっかりと回された力強い腕 首筋にかかるお父様の吐息 あなたのすべてが私を狂わせる 

さきほど国民は守るべきものであると仰られていたが 私だっていつもはそう思っている 国のために尽くすことは軍人として当然であるしこの身をささげているといってもいい。 しかしお父様のことになると頭が真っ白になってお父様のこと以外考えられなくなってしまうのだ。  これはもう病気とかそういう次元を越してしまっている 

 む、いかんな 大事なお父様の護送中だというのにこの体たらく・・・ もっと気を引き締めなければ!!!


「ニーナ」 


ビクンッ!! 何なのだ!!何なのだ今の感覚は!? 背中に一筋の電流が流れたような感覚  後ろから手をまわされながら 名前を呼ばれただけなのに・・・・・ なぜこんなにも胸の鼓動が大きくなるのか  もっと知りたい もっとこの気持ちの正体を知りたい!! 失礼なこと話わかっている・・・・・それでも、それでも私は


「お、お父様 もう一度 もう一度 名前を呼んでいただけないですか?」

「? ニーナ これでいいか?」


_______っっっ!!! 


「な、なんでひゅかおとうしゃま?」


意識が一瞬にしてかき消されてしまった 自分が今なんと返事をしたのかすら分からない


いかん…………このままでは………


__________________________________________


おいおい、馬の上で寝ちゃったよこの娘 いや、まあ高校生くらいの年齢だし 深夜0時は眠たくもなるか

いやしかし ここで問題が一つ発生してしまう


それは俺が馬に乗れないことだ!!!




馬に乗れないことだ!!!



正確に言ってしまうと馬が俺の言うことを聞いてくれないのだ  こちらの世界に来て早6年 みんなに隠れながらファイスに頼んで練習する日々 初めて彼女にため息をつきながら言われたひとこと 


諦めましょう もうこれは呪いというのが正しいです


この一言は忘れられない    あんな目で見られるのはもうごめんだ  


しかし俺の止まってくれという意思とは裏腹にどんどん馬の速度は上がっていく

ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! 止まってくれぇぇぇぇぇぇ!!!ニーナも起きて!!!早く!


zzz


ぎゃぁぁぁぁぁ!

二人を乗せた馬の行き先は馬のみぞ知る・・・・

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