第7話 第二の名前・・・?
「もう、俺の言いたい事はわかるな、アンジェ」
アージスはアンジェに笑いながら言った。
この王様、私のことを脅してる〜〜〜〜〜〜!
さすがのアンジェもこれには驚いた。
「さー、どうするアンジェ」
アージスは聞いてくる。
「お前が俺の騎士になってこの事を伏せて置くか、それとも俺の誘いを断ってお前を大事に育ててくれた両親に迷惑をかけるか・・・・・・」
どうやら、アージスはアンジェに悩んでいる暇すらもくれないらしい。
「別に俺はお前がどう返事してくれても構わないのだが・・・・・・」
アージスがそう言っている中、アンジェは何か呟いた。
「ゃ・・・」
「ん?」
「ゃ・・・ぅ〜」
「聞こえないな〜」
そう言いながら、アージスがアンジェに耳を傾ける。
「やりますぅ〜〜〜〜〜!」
アンジェの大きな声が王宮の廊下に響きわたる。
アージスはアンジェのその声の大きさに少し驚いたが、アンジェの返事を聞くと
「フッ」
と笑って、
「よし、今日からお前の第二の名前はラウルだっ!」
と言った。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「えっ!どゆこと?」
ズルズルズルー。
アージスはアンジェの返答にこけた。
「お前、今の話の流れでわからないのか?」
残念ながらアンジェには話しの流れがわからなかった。
まぁ、多分アンジェじゃなくても誰だって同じだとは思うが。
すると、アージスは
「はぁー」
と、頭を抱えながらため息をついた。
アージスのアンジェをバカにしているようなため息にさすがのアンジェもムッとした。
「今のは、アージスの説明不足では?」
とアンジェは言ってやりたいと思った。