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護衛役は女の子っ!  作者: 春日陽一
いつかのための“着火剤”
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第68話 何だか騒がしいなぁ

カナリア国の第十六代王。

燃えるような紅い髪を権力のように振りかざし、王座に座っていた前王。

彼はよき父で、とても温かな家庭を築いていた。

彼は王族の血を濃く受け、国の象徴だった。

しかし、彼に王の器はこれっぽちもなかった。

優柔不断で、余りにも優しすぎた王。

娘のことを大切に思っているからこそ、娘の婚約者を二人も用意してしまった。

しかも、その二人は互いに敵国同士の若き王子達。

いつしか決着がついた時、一人の婚約者は栄える国の国王に、もう一人は落ちぶれた元王子に。

その時に前者を選べばいい。

甘い、甘い、カナリア国の前王の考え。

行き詰った時には、臣下の言うとおりに。

民が直接嘆きに来れば、民の言うとおりに。

利益なんて考えない。

その時、そうだと思えば即、実行。

国のために、少しの人を切り捨て、多くの人を助ける。

国のために、弱者を切り捨て、強者を拾い上げる。

そんなことが出来ない王。

純粋で、裏の闇の部分に目を背ける王。

そんな王を、影から妬む者がいた。

前王の弟、銀色の髪の、生まれながらにして王の器を持つ弟。

自分の方が王になるべきなのに・・・・・・。

髪の色の差で、素晴らしき能力を押し殺す日々。

人は我慢しすぎると、いつか爆発してしまう生き物。

もちろん、その弟もついには我慢出来ずに爆発。

まず、兄の愛する王妃を城から追い出し、次に兄を暗殺。

しかしそれだけでは、弟は王にはなれない。

だって、次に王に近いのは兄の子供、紅い髪を持つ姉弟。

最も王座に近い、まだわずか3才の甥を隣国に売り払う。

次に姪を・・・・・・姪を彼女の婚約者の国同士が争う戦場の最前線へと無防備に放り込んだ。

そして周りに紅き者がいなくなった時。

彼はやっと、王座へと腰をおろしたのであった。






「ん〜、何だか騒がしぃ・・・・・・クワァ〜」

欠伸を一つ。

昨日泣きまくってショボショボする目を擦りながら、アンジェは朝日の差し込む自室で起きた。

いつも通りの朝。

・・・・・・のはずなのだが、何故か今日は部屋の外が騒がしい。

先ほどからアンジェの部屋の前をドタバタと走る足音が絶え間なく聞こえてくる。

「ひとまずベッドから出よ・・・・・・」

まだ寝ぼけながらもベッドを出る。

そして、アンジェがフラフラと洗面台へ向かおうとした時、コンコンとドアのノックする音が聞こえた。

「ちょっと、アンジェ。

もういい加減起きてるでしょうね?」

そんな声とともにアンジェの部屋に入ってきたのは、マリアだった。

「あー、マリアちゃん。

うん、起きてるよぉ〜」

「起きてるよって、あんた、もしかして今、起きたところなの!?」

「うん、そうだけどぉ?」

ぼー、としながらマリアに返答するアンジェ。

そんなアンジェを見て、マリアは「はぁー」とため息をつく。

そして、アンジェのボサボサの頭を見て、「髪、といであげるからブラシを貸しなさい」と言い、アンジェを椅子に座らせ、髪をとぎながら話をする。

「じゃあ、アンジェ、今朝のこの騒ぎの原因も知らないのよね」

「うん。

何か騒がしいと思って目が覚めたけど、何かあったの?」

「それがね、今朝、急に王様からの伝令でメイド長様から聞いたんだけど・・・・・・」

マリアの言ったことにアンジェは首を傾げた。


「舞踏会?しかも今晩?」


「そう!!

そうなの、舞踏会、しかも今晩!!

あと、その舞踏会、参加できるのは城で働いてる人だけなんだって。

だから、みんな急いで朝から舞踏会の準備して、舞踏会の準備で一度家に戻るんだけど・・・・・・アンジェはどうする?」

それに「うーん」と考えるアンジェ。

「ちなみに私は帰らないわよ。

あんな家、帰ったところで、自分も連れってて王様に紹介してくれって言う兄妹ばかりだもの」

マリアのその答えを聞いて、

「じゃあ、私も帰らないかな〜。

一度、帰ってお父さんとお母さんと話したいけど、アージスのこともあるからなぁ・・・・・・」

そう言うアンジェに「あんたも大変ね」とマリアが同情する。

「はい、髪、とけたわよ」

「あっ、ありがとう」

そういうとアンジェは椅子から立ち上がり、テーブルに置いてある布を手に取る。

マリアにせっかくといでもらった髪だが、それを布で隠した。

そして制服に着替えようと、クローゼットに手を伸ばした瞬間、マリアが「あっ!」と何かを思い出したかのような声を上げた。


「そう言えば、アンジェ。

服で思い出したけど、あんた、今日の舞踏会、何着て出るつもり?

というかその前に、“アンジェ・イズ・スーダ”で出るの?

それとも、“ラウル”で出るの?」


マリアのその言葉にアンジェの服を取る手が止まる。

そして、「あー」と考える。

「・・・・・・そう言われれば、そだね。

うーん、考えれば考えるほど、どっちで出ればいいかわかんないなぁ」

ちょっと考えてみるアンジェ。

しかし、答えは出ず、

「私、舞踏会出るのやめようかな」

そんな新しい選択肢を選びそうになったところで、マリアに怒られたアンジェであった。






こんにちは、春日まりもです。

この度、オリジナル小説サイト(風ブログ)を開設しました。

そして、そこで主に載せてるのは、この「護衛役は女の子っ!」の書き直したものです。

・・・・・・そうです、書き直しです。

実は、この前、春日がたまたまこれを読みなおしたところ・・・・・・あまりの駄文に絶望いたしまして。

「こ、こんなものを人様に読んでもらっていたなんて!!」

そう思った春日は、原型は崩さない形で書き直すことを決意しました。

本当は物語の展開の一部の順番なんかも書き直したいのですが、それはまた後の機会にします、はい。

今まで感想や評価を頂いたほとんどの方から言われていた文章の読みにくさや表現の下手さなどなど‥

目を若干背けてきたものを今回は直視して、今よりも読みやすくなるように努力します!!


そんなサイトはこちら↓

「ミーイズム奮闘記。」http://mktmarimo.blog63.fc2.com/


タイトル通り奮闘していますので、もしよければ宜しくお願いします(笑)


では。




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苺なんて、嫌いだー!!←作者のブログです。遊びに来ていただけると、春日は喜びまくります!!
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