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護衛役は女の子っ!  作者: 春日陽一
いつかのための“着火剤”
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第42話 ウ、ウザいって・・・・・・

「か、か、噛まれたーーーーーー(泣)」

何と少年はアンジェの手に噛みついた。

アンジェは人生初の犬以外から噛みつかれたことに驚き、その痛さに泣きわめいている。

アージスも驚いた顔をしている。

そんな二人を見て、少年がブスッとした顔で初めて喋った。


「噛まれたぐらいで、いちいちうるせェーんだよ」


「なっ、噛まれたぐらいでって・・・・・・噛んだの君じゃないかっ!!」

「だって、お前ウザいもん」

「ウ、ウザいって・・・・・・」


アンジェと少年の子供みたいな言い合い。

そんなやり取りをアンジェの横でアージスは見ていた。

それにしても、この少年の喋り方、低くない子供の声で少しぐれた青年(というか反抗期のガキ)のような喋り方をされると・・・・・・こう・・・なんというか・・・・・・

「くっ、あははははは、お前、ガキがそんな生意気なしゃべり方すると・・・・・・」

笑える。


カァァァァァァァ

アージスが笑ったことで少年の顔が見る見るうちに紅潮する。

そして、少年がアージスに向かって叫び出した。

「き、貴様ッ!!

今、笑ったなっ!確実に笑ったなっ!」

何と、アージスを“貴様”呼ばわりしたのだ。

別に少年が怒っていることに関しては何の問題もない。

しかし、アージスを貴様呼ばわりするのは大問題だ。

「なっ!?」

その少年の言葉にアンジェは手を噛まれたどころではなくなった。

「君!!そんなこと言っちゃあ・・・・・・」

だめじゃないか!!

そうアンジェが言いきる前にアージスが手でアンジェを止める。

「何で?」とアンジェは思い、アージスの方を見てみると、アージスは口パクで「面白いから」と言った。

「全く、この人は」と思い、アンジェは「はぁー」とため息をつく。

そんなアンジェを横で見ながらも、アージスは

「ほーう、貴様呼ばわりか、この俺を。

お前、面白いなぁ」

と言って笑っている。

「なっ、何だよっ!!

何が可笑しいんだよっ!!」

「いや、別に。

それにしてもお前、ウィリアム王子の従者とはいえ、結構いい身形をしているなぁ」

アンジェもそれは不思議には思っていた。

しかし、こっち(この王宮)に来るのに身形を良くするのは当り前かと思っていた。

もう一度改めて少年を見てみると、生地の良さそうな服に金色の装飾品などを身に着け、まだ子供なのに剣までもを常備させているのでかなり不自然だ。

まぁ、敵国(ハッシュル国)へと来るのに女官(仮定)以外のたった一人の従者が子供というのも可笑しいのだが。


そんなどこもかしこも不自然な少年が誰もが驚くことを口にしたのは、この後だった。

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