第37話 あちゃー
「・・・・・・おい、お前達。
何で俺が会談を台無しにしてきた前提で話を進めているんだ」
そのアージスの言葉に誰もが(アンジェ+気絶中のラドアス以外)驚いた。
「「「えっ!!もしかして、無事に上手くいったの!?」」」
それは、それは見事なまでに。
「お、おい、お前ら・・・・・・」
それを聞いてアージスがワナワナと微かに揺れている。
「こりゃあ、怒っているな」と思ったアンジェはすかさず止めにかかった。
「アージス、落ち着いて落ち着いて、ねっ?」
アンジェのその言葉に少しは落ち着こうと思ったようで「フゥー」と息を吐く音が隣で聞こえた。
「まぁいい。
でもな、俺はお前らが人の昔話している間にちゃんと王子とその女官、そしてその従者までもを部屋に案内したんだぞ。
わざわざこの王がっ!」
アージスはそう言うと部屋のドアの方に歩いていき、ドアノブに手をかけた。
「おい、どこに行くんだアージス」
そんなアージスをジルが止める。
そのジルの行為に「何とも空気が読めない奴だ」とみんなが思った。
案の定、そのジルの問いかけでアージスがイラッときたようで、
「うるさいっ!!
俺は気分が悪いんだ。
お前らはさっきの話の続きでもしてろっ!!
行くぞラウルっ!!」
と言い放ち、ドアを乱暴にバタンーと閉めてどこかに行ってしまった。
アンジェは「あちゃー」と思いながらも急いでアージスを追っかけに部屋を出た。
そんなこんななアージス達は同時刻、
「ふーん、仲間割れかな?
まぁいいや。
これは報告しとかないとな、あの方に・・・・・・」
と言いながらニヤッと笑った男がいたことを誰も知らなかった。