第22話 よしッ
実はジルの一人称は“僕”ではなく“俺”だった。
それにアンジェは大変驚き、慣れるのに時間がかかった(といっても、たった三十分間ほどだが・・・・・・)。
しかし、今では昔からの親友のようにアンジェは双子と仲良くなった、特にジルとは。
「いくらなんでも早すぎだけどね・・・・・・」
それをハルが軽く指摘した事はあの二人は知らない、というか話を聞いていない。
それに
「はぁー」
とハルはため息をついた。
これは今から三時間前の話。
そう、三時間前の。
「えーとぉ・・・・・・」
アンジェは困惑していた、何とアンジェが座るはずのアージスの隣の席に知らない(いや、昼間に一応会ったことになる)少女が座っているのだ。
しかも、当たり前のように。
アンジェはこの事を誰かに説明してもらいたかった。
しかし、アージスはあいにくいない。
誰かに聞こうにもアンジェは昨日ここ(王宮)に来たばかりなので知り合いもいない。
ちなみにジルとハルは第一騎士ではないので食事をアージスとともにすることはない。
そんなこんなで悩んでいるうちにアンジェはある事に気づいた。
いや、普通に考えればわかることだ。
「この少女は私の存在に気づいているはずだ」
と。
なぜなら、アンジェが第一騎士であることは今日のお披露目で知っているはずだ。
これが昨日のことなら知らないと思うが、それは昨日までの話である。
しかもこの部屋にいるということはこの少女は王族の身内か、それとも高い位を持つ客ぐらいだろう。
しかし、声をかけてきたりしない。
「そういえばっ」
とアンジェは一つ思い出した。
そういえば、この少女は昼間アージスに会った時にアージスを『お兄様』と読んでいた。
「だったら、この子はアージスの妹なのかな?」
と、アンジェは思った。
じゃあ、その席は王の第一騎士の席だと知っているはずだ。
「よしッ」
アンジェは小さな声で言った。
アンジェは悩んでいてもしょうがないと直接少女に声をかけることにした。
「あ、あのー」
そして、アンジェはその少女に声をかけた。
お久しぶりです、春日まりもです。
この度は更新が遅れてすみませんでした。
少し、風邪を引いていまして書く余裕がございませんでした。
後、今回はちょっと中途半端なところできりました。
何か長くなりそうでしたので・・・・・・。
ごめんなさいっ!!