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護衛役は女の子っ!  作者: 春日陽一
はじまりのための“出会い”
20/102

第18話 ここはガマン、ガマン

王宮の中は朝からにぎやかだった。


忙しなく働くメイドやバトラー、従者に兵士。

先ほどから絶えない訪問者。

そして、何度も聞く挨拶の言葉、そして、何度も言う訪問者への言葉。

ニッコリと笑い続けて筋肉が引きつり始め、痛い頬。

前にいるアージスを後ろから見て(騎士であるアンジェはアージスの後ろで護衛中・・・・・・)、

「あんなににこやかにしてるけど多分、心の中はめんどくさいって思っているだろうなー」

と思うアンジェは、現在、最悪な気分。

朝からマリアに怒られ(ほとんど八つ当たり)、しかも起こされて機嫌が悪かったアージスにもマリアのことでついでに怒られ、この後の自分が披露された後、(やりたくない)決闘をしなければならない。

アンジェは今にでも

「はぁ〜」

とため息を吐きたいところだが訪問者の前ではそんな事はできない。

「ここはガマン、ガマン」

とアンジェは自分に言い聞かせた。

ジルとハルは

「こんなの余裕だ」

というふうにさっきからビクともせずににこやかにアンジェの横を立っている。



「アージス様、サラ様、この度はありがとうございます。」

「おお、これはシュ・・・・・・」

アージスが長ったらしい名前を言い、挨拶をしている。

そのアージスの横にきらびやかなドレスをまとった女であるアンジェでも思わず「綺麗」

と口に出してしまうほど綺麗な、白い肌に黒い長い髪が似合うサラがしとやかに立っていた。

サラはアージスの婚約者だ。

まだ、結婚はしてないそうだが。

アンジェは今朝初めてサラに会った。

そして、アンジェがアージスに

「うらやましいねー、あんな綺麗な婚約者がいて」

とからかいながら言ったら

「そうでもない」

とどこか悲しそうな顔をされてしまった。

それでアンジェは

「もしかしてアージスはサラさんと仲がよくないのかな?」

と悟った。

そんな事を思い出しているうちにアージスの挨拶が終わった。

アージスは横にいるサラに

「もういいぞ」

とつげ、ゆったりと王座に座った。

サラも何も言わずに頭を下げ、自分が座る席に座りに行った(サラはまだ正式にアージスと結婚してないのでアージスの横に座れないらしい)。


パン、パン、

アージスが手をたたく。

それを合図にさっきまでおしゃべりしていた貴族などがいっせいに静かになり、ひざまずく。

もちろん、アンジェもだ。

そんな中、アージスだけが席を立つ。


「我、第八代ハッシュル国国王である、アージス。

 この度、十九になった。

 これからも国の繁栄と民の暮らしのために力を尽くすことを誓おう。

 以上だ。」


アージスの力強い言葉が響いた。

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苺なんて、嫌いだー!!←作者のブログです。遊びに来ていただけると、春日は喜びまくります!!
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