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プロローグ
「本当にいくのかい?」
ある老夫婦が少女に問いかけた。
「はい、そうきめましたから」
その少女ははっきりと答えた。
「早くしなさいよ、アンジェ!」
近くの馬車から少しいらだった女の声がした。
「あっ、はい」
少女は返事をし、いそいで女の声がした馬車に乗った。
彼女の名前は、<アンジェ・イズ・スーダ>、もうすぐ十七だ。
スーダ家の長女でこの老夫婦の娘である。
今から、馬車の中に乗っていた、<マリア・シー・ザビル>というザビル家の長女が王の后に選ばれるために王宮で行われる面接みたいなものに行くのでアンジェはその護衛として一緒についていく。
あくまで護衛役として・・・
この後、
「やっぱり、なれない所には行かないほうがよかった」
と後悔するのも知らずに・・・
はじめまして、春日まりもです。
小説はこれが初めてなので、ドキドキしています。
読んでくれた皆様、本当にアリガトウございます。