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護衛役は女の子っ!  作者: 春日陽一
はじまりのための“出会い”
15/102

第13話 信じるのに理由はいるか?

「そ、それは本当ですか!アージス様っ」

「本当だ、ラドアス。

 詳しくは後で話す。

 そんな事より、まずは世話役の事だ。」

「そんな事って・・・・・・」

アンジェはボソッと言った。

アンジェは女なのに男の格好をしている事をそんな事扱いされてしまった。

ラドアスはさっきからアンジェのことをジーと見ている。

アンジェは

「はぁー」

と短くため息をついた。

「どういうつもりか知らないが、マリア嬢が自分から世話役になると言ってくれたのは好都合だ。

実は、俺はどの道、マリア嬢に口止めをさせて王宮で働かせる気だった」

それを聞いてマリアはアージスに『ダメだ』と言われる心配がなくなってホッとした。

そして、マリアは落ち着いて

「それはよかったですわ」

と言った。

「もしよければ明日からでも働いてもらいたいと俺は思っている。

 こいつから聞いたところ、マリア嬢とこいつは幼馴染らしいから変なことをする事はないと思うしな」

今のはマリアに言ったというよりもラドアスを落ち着けるために言ったようだった。

「では、明日から働かせてもらいましょう。

 でも、今日はいろいろ報告したりしないといけないのでいったん帰ります」

そう言って、マリアは席を立ち

「失礼しました」

と言って、部屋を出た。

「では、ラドアス、早速マリア嬢が王宮で働く準備や手続きを」

「わ、わかりました」

ラドアスはすんなりと返事をした。

どうやら、もう、いろいろと諦めているようだ。


バタンっ

ラドアスが部屋を出る。

「さてと、俺たちもこの部屋からでるか」

そう言ってアージスは席を立つ。

「ねぇ、アージス。

 一つ聞いてもいい?」

「何だ、言ってみろ」

アンジェはずっと聞いてみたかった事をアージスに聞いてみることにした。

「何で、アージスはさっき会ったばっかりの私をそこまで信用しているの?」

そう、これをアンジェはアージスに聞きたかったのだ。

会ったばかりの男装をしているいかにも怪しそうなアンジェをいきなり自分の第一騎士にし、しかも、そんなアンジェの幼馴染であるマリアを何の疑いもなくアンジェの世話役として王宮に働かせてくれるという。

別にアンジェは悪い事をしようとはこれっぽっちも思っていないが。

アンジェがそう質問した後、アージスは目を丸くして

「信用することに何か理由でもいるのか」

と反対に聞き返してきた。

それにアンジェは驚いて

「べ、別にいらないけど・・・・・・」

と言った。

そんな、アンジェを見てアージスは何かを考えるように少し黙り込んでから

「まぁ、理由はその内言う。

 今はそれだけ俺がお前を信じていることだけをわかってくれていればいい」

と言い、アンジェの頭をワシャワシャとなでた。

アンジェはそれに?だったが、笑顔で

「わかった、信じるっ!」

と言った。

それにアージスも笑顔で

「うん」

と頷いた。


「ところでアージス、もう一個聞いていい?」

「いいけど」

「ラウルって名前、どうやって思いついたの?」

それをアンジェが聞いた瞬間、アージスがウッという顔をして

「聞きたいか」

と聞いてきた。

「うんっ、聞きたい」

「そんなに聞きたいのか?」

「うんっ」

アンジェは素直に言う。

そんなアンジェにアージスは

「はぁー」

とため息をつき

「聞いても落ち込むなよ」

と言った。

「落ち込むような事なのか?」とアンジェは思いながら

「うんっ」

と言った。

「実はな、その名前はある奴の名前なんだ」

「へぇ〜、そうなんだ」

「その奴っていうのがな、・・・・・・俺が昔飼ってた犬なんだ」

その答えにアンジェは数秒固まって


「えっ、犬ゥーーーー!?」

と驚いた。

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