恐怖
私の恐怖とは。
私は恐怖の中で生きている。
一つ。愛情。
私は愛情がわからない。
親からの愛情も友からの愛情もわからない。
わからないから信用出来ず、
いつ独りになってしまうのだろうかと、
震えがとまらない。
一つ。執着。
私は執着がわからない。
人に譲れないものがない。
友のように夢中になれるものもなく、
どうしても手に入れたいと願うものもなく、
虚しさが溢れ出す。
このまま、恋も愛も知らぬまま一生を終えるのか。
人を信じられないまま生きていくのか。
自分ではわからない。
人の真似をして執着してみても、
結果なんてたかがしれていて。
泣きわめいてみても、
最後には何も残っていない。
一つ。言い訳。
愛情がわからないからと言い訳する。
本当は認めたくないだけ。
認めて裏切られるのが怖いから。
そうして見て見ぬふりを続けたら、
認め方がわからなくなった。
無償の愛など存在しない事を突きつけられた。
一つ。諦め。
執着がわからないからと諦めた。
一番になることを、人に期待されることを。
人に失望されたくなくて、
人に自分の価値が無いことを知られたくなくて、
頑張ることを諦めた。
自分の生きるという才能のなさを知った。
輝きをなくした、
頑張ることが出来ない人間を、
人の気持ちを理解出来ない人間を、
好きになってくれるわけがない。
人の愛情を疑い、執着をやめ、
何もかも見て見ぬふりし、諦める。
人に好かれたくて、信じてもらいたくて、
変わろうと決心し、努力に執着出来ず、
全てを諦める。
そんな無限ループを歩き続ける。
変われない自分に恐怖し、
人と違う自分に恐怖し、
何も出来ずに怯え震えている。
今日も私は恐怖の中で生きている。
死ぬ勇気もなく、死にたいとは言えない。
だから、
生きていたくないと叫びながら。
そう、
今日も私は恐怖の中で生きている。
自分なんて価値がない。
自分なんて…そんな人間の恐怖の一部分です。
読んでいただき本当にありがとうございました。