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隠したままの恋物語

作者: 名口 慎

「久しぶり。」

なんて言葉で、笑顔を見せないでよ

もう、あれから随分経つのに、

心がざわつく私だけがバカみたい


ねぇ、元気でやってますか?

今は何をしてますか?

あの時恥ずかしそうに語ってくれた夢は叶いましたか?

作りかけのメールはまだ消せないまま


聞きたいことはいっぱいあるの

でも、私は必死に笑顔を作って

「うん、久しぶり」

としか返す言葉がない


前に会ったのはいつだっけ

見かけたのはいつだっけ

・・・そうだね、本当に久しぶりだ


君の噂はよく聞いていたよ

そんなに多くはなかったけど、

私の耳が勝手に拾う

私の眼が、勝手に君の名を見つけてしまう



聞く度に変わる、彼女の名前は、

ただの噂だからかな

そういえば、君から直接、

他の恋の話を聞いたことは一度もなかったね


そういえば、呼び方も変わったね

君しか呼ばない私のその呼び方、

結構好きだったのになぁ・・・

今は他にまぎれて、聞こえにくいよ

君の声・・・


これを恋と呼ぶには

少し違う気がする

だから、これは失恋じゃないよね


でも、君が大切な人だったことは

今でも嘘はないよ

好きだったとは、今でも言えないけど・・・


いつからか隣にいなくなった君

振れなくなった手

その手を離したのは、君じゃないよ

私の方だった


もう一度、その手を繋ぎたいなんて

ワガママは言わないよ

好きだったとも言わない


だから・・・だからね

どうか、気づかないで

この作り笑いも

少し腫れた眼の下にも・・・


「おめでとう。」

言葉にしたそれの本当の意味が

君へのサヨナラだってことも・・・



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