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プロローグ
今は昔。
神々の支配する楽園があった。
その地は争いの無い場所であり、憎しみ、裏切りといった腐敗の兆しも見えぬ、理想的な世界であった。
だが、暗き運命が静かに忍び寄る時が来た。
人の神、フィオロン――彼は反乱の火種を灯し、この楽園にて【レッドリング】を手に入れた。
それは、時を支配する力であり、永遠の命をもたらすものだった。
彼はその力をもって、彼は神々を次々と滅ぼし、楽園に死をもたらした。
時は止まり、神々の血が大地に流れ、世界は無慈悲に静止する。
人々は死を迎えることなく、ただ不死の亡者となり果てた。
その後、長い歳月が流れたが、依然としてこの地の時は動かず、死者たちの呻きだけが響き渡る。
だが、遅かれ早かれ、この地は崩壊の時を迎えるだろう。
終わりの始まりが、今、ここに確実に迫っている。