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1話 アンドロイドの彼女が突然
炊事、洗濯、掃除など、家事全般をアンドロイドに任せていた。彼女はキュー。赤い髪をした、人間そっくりのアンドロイドだ。
昨日まで「お任せください、ご主人様」と何でも言うことを聞いてくれていた。
妹の花にキューを貸した。たぶんそのせいだ。帰ってきたキューはこう言った。
「私のこと殺さないでね?」
キューは表情豊かになっていた。
「こ、殺さないよ」
俺はビビって答えた。
「でも、除霊師なんでしょう、あなた?」
キューは言った。
「そ、そうだけど」
「安心してよ。アンドロイドの仕事は今まで通りやるからさ」
キューは別人となり、洗濯物を干し始めた。
「……入れやがったな」
俺は花に恨み言を言った。入っている。完全に入っている。
「愛理様、とお呼びすれば?」
キューは俺に聞いた。
「ああ。俺は愛理。お前はキュー。そうだな?」
「私はキュー。承知致しました」
キューはニコっと微笑んだ。人間そっくりの微笑みだった。