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追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第6部 レラン高原の戦い
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【進撃開始】

『お前は賢い子ね。たまたま目が合ったから選んだけど、幸運だわ。賢いだけでなく、勇気のある子。』


走り出してすぐに、サアラは馬の実力を理解した。


この馬なら彼女がこれからやろうとしている事に(こた)えられるに違いない。


馬に話しかけ、コミュニケーションを取りながら人馬一体となったサアラは、最前線に向かって軽やかに駆けていく。


途中、小高い丘の上まで来たサアラは、ウィルド達を包囲する敵の状況を確認するため、一旦馬を止めた。


最初にサアラに追いついたのはアルフレッドである。


「姫様! 矢をお忘れです。」


「ありがとう。」


サアラは手渡された矢を背中の矢箱に納める。


「姫様、これからどうされる?」


「まず、囲みに穴を()けます。」


「囲みを打ち破った後は?」


「ウィルド殿下と合流し、殿下の脱出を支援します。その際、我が部隊の一部を殿下の護衛に()てます。」


「残りは?」


「殿下の脱出を見届けた後、隊を主力と殿(しんがり)に分けます。殿(しんがり)が敵の追撃を防ぎつつ、残り全員で脱出します。意見があれば聞きます。」


「それでよろしいかと存じます。」


「分かりました。では殿(しんがり)は私が務めます。」


それまで異論を差し挟まなかったアルフレッドだが、サアラが発した最後の一言には激烈に反応した。


「それはなりません! 殿(しんがり)は初陣の姫様が務められるような仕事ではございません!」


「でも爺と一緒なら・・・」


「姫様! 爺は姫様がお生まれになる遥か前から戦場を駆け回っていたのですぞ! こればかりは爺の言う事に従って頂きます!」


アルフレッドの真剣な表情をじっと見たサアラはフッと表情を(ゆる)める。


「・・・分かったわ。爺、あなたに従いましょう。」


「恐れ入ります。」


アルフレッドは内心ホッと胸をなでおろす。


そうこうする内に、他の騎士たちも続々とサアラの許に駆け付ける。


「いいか、今から作戦を伝える・・・」


アルフレッドが集結した騎士たちに作戦内容の説明と部隊分けを行う。


サアラ以外の騎士たちは歴戦の勇者が揃っているため、あっという間に準備は整った。


「姫様、下知を。」


アルフレッドの言葉にコクリと(うなず)いたサアラは大きく息を吸うと、その場の全員に号令する。


「これより敵の脇腹を突きます! 我の後に続け! 全軍前へー!」


「応!」


サアラを先頭にした騎士たちは、敵の包囲を打ち破るべく一斉に丘を駆け()りて進撃を開始した。

次回「強行突破」は、10月22日(日)20時頃に公開予定です。

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