【祝賀パレードⅡ】
「私にパレードに参加して欲しいですって!?」
結婚式の2週間前、ランストン家の屋敷でソフィアの計画を打ち明けられたサアラは思わず大声を出してしまう。
「・・・でもあなた方の乗る馬車に私が同席するのは、どう考えても許される事ではないわ。」
「ええ、それは承知しています。ですから・・・」
二人きりで話しているにもかかわらず、ソフィアは声を潜める。
「儀仗兵として参加して頂きたいのです。」
「それは無理よ。許可が下りないわ。」
「ですから周りには内緒で行います。パレードの直前に別の儀仗兵とサアラ様が入れ替わるのです。兜をかぶってしまえば男女の区別はつきませんわ。」
「本気なの?」
「いかがでしょう?」
「協力してくれる儀仗兵にあてはあるの?」
「すでに目星は付けています。ランストン家の関係者ですが口が堅い人間なので、秘密は守れるはずです。」
「・・・確かにそれならいけるかもしれないけど、良くそんな事を思い付いたものね。」
「でも面白そうだと思いません?」
しばらく沈黙したサアラは本音を語る。
「・・・思うわ。」
こうして二人の秘密の計画はスタートした。
次回「祝賀パレードⅢ」は、10月8日(日)20時頃に公開予定です。




