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追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第5部 ヒロインの結婚
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【大夜会Ⅲ】

サアラとソフィアが会場に戻った時、ウィルドは外国の賓客(ひんきゃく)と歓談中だった。


ソフィアに気付いたウィルドは、彼女を手で招き寄せる。


「丁度良いところに来た、紹介しよう。こちらはデール公国で宰相を務めるビショップ・フォード伯爵だ。」


「初めましてフォード卿、本日はようこそおいで下さいました。」


「こちらこそお会いできて光栄です、ソフィア妃殿下・・・ところでお隣の女性はどなたですかな?」


「これは失礼しました。彼女は我が国の重鎮(じゅうちん)であるアムロード侯爵家の者です。」


「初めまして、私はサアラ・アムロードと申します。どうかお見知りおきを。」


その名を聞いたビショップの目の奥がキラリと光る。


「ほう・・・あなた様がそうでしたか。」


「?」


「いや失礼、実は以前よりあなた様とお話しできないかと思っていたのです。だから今日は望みが叶いました。」


「フォード卿は私の事をご存じなのですか?」


「ええ、もちろん。あなたの名声は、今や我が国にまで届いていますよ。」


「私、名声を得るような事をした覚えはございませんが・・・」


「ハハハ、あなた様から見ればそうなるかもしれませんな。しかし世間の見方は()()違うものです。」


「そのようなものでしょうか?」


「ミス・アムロード、もし機会があれば一度我が国に来られませんか? 国賓として歓迎しますよ。」


「ご招待ありがとうございます。もしそのような機会があれば、よろしくお願い致します。」


サアラはビショップの態度に違和感を覚えていた。


デール公国への招待についても、単なる社交辞令を超えた「本気さ」を感じてしまうのだ。


そもそも王太子夫妻が目の前にいるにもかかわらず、ビショップがサアラとばかり話をするというのは、若干礼節に反している。


そのためサアラは、ビショップとの会話を強引に切り上げる。


「フォード卿、ウィルド殿下との歓談を邪魔してしまい申し訳ありませんでした。またお会い出来るのを楽しみにしていますわ。」


「ええ、是非とも。」


これがサアラとデール公国の中枢(ちゅうすう)メンバーとのファーストコンタクトになった。

後にサアラはビショップを始めとしたデール公国指導部と深く関わっていく事になる。

次回「祝賀パレードⅠ」は、10月6日(金)20時頃に公開予定です。

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