表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第4部 戦争の影
69/273

【隣国の摂政Ⅲ】

「まずは動員兵力につきまして・・・」


「2,000で出兵する。」


出兵の規模を即答する摂政クリストファーに対して、ビショップ宰相が(たしな)めるように反論する。


「お待ちください、レラン高原攻略に兵2,000は少なすぎます。最低でも5,000は連れて行かなければ勝負になりませんぞ。」


「しかし5,000の兵を動かすとなれば、それだけ出費もかさむしね。もちろん5,000で首尾よく攻め取れれば、それに越した事はないけれど、今回は失敗しても構わないから2,000で十分だよ。」


「失敗しても構わないとは・・・それでは一体何のために行かれるのですか?」


「最初に言った通りさ。戦を通してウィルドの人物像が分かれば良い。それに王家とアムロード家に亀裂ありという()()()の見立てが正しいとすれば、アムロード家は戦に参加しないかもしれないぞ。そうなれば兵2,000でもこちらに勝ち目が出てくる。まあそのあたりは実際に攻めてみれば分かるはずだよ。」


「本当にウィルドは出てきましょうか?」


「確かにそれがこちらの最大の懸念ではある。戦になったからといってウィルドが確実に出てくる保証は無い。ウィルドが王都に引きこもる可能性だってあり得る。ウィルドを戦場に引っ張り出すための手立ては考えてみるが、それでも出て来ないようであれば、まあその程度の人物って事だよ。」


「仮にウィルドが出て来なかったとしても、目的は果たせると申されますか?」


「そういう事。相手を揺さぶる事で、何らかの答えは出てくるはずだよ。」


「分かりました。それでは直ぐにも出兵されますか?」


「いや、慌てる必要は無い。半年後の結婚式には予定通り出席してくれ。その時に向こうの祝賀気分が吹き飛ぶような親書を突き付ける。そうなれば戦争は時間の問題だ。お前は親書を渡したら、さっさと戻る事。長居は無用だよ。」


「御意」


『名君と(うた)われたグレミス二世と、何かと評判の良くないユリウス四世・・・私からの結婚祝いを受け取ったウィルド王太子はどう動くかな? 半年後が楽しみだね。』


クリストファーは不敵な笑みを浮かべる。

今やデール公国の命運は、この年若い摂政の双肩にかかっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ