【似た者同士】
サアラはどうしてソフィアがこれほど自分の事を理解できるのか分からなかった。
しかしその疑問もついに氷解した。
結局サアラとソフィアは驚くほど「似た者同士」だったのだ。
名家に生まれながら自身の栄達や権力の拡張よりも自由を愛し、それが故に王都の生活に息苦しさを感じている事までも。
サアラにとってソフィアは最大の理解者であり、今やソフィアにとってもサアラが最大の理解者となった。
「私の本当の目的は王都から追放される事だった・・・ミス・ランストン、あなたの推察は間違っていないわ。」
ソフィアの推察は真実の半分を見事に言い当てていた。
ソフィアがこの世界の秘密を知らない以上、これは満点の回答と言っても良いものだ。
だがサアラにはどうしても気になる点が残っていた。
「でもどうしてご自身の秘密を私に明かしたの?」
サアラの質問に対するソフィアの回答は、これ以上無いほど簡潔だった。
「あなたは信頼できる方です。」
それがソフィアの「観察の結果」なのだろう。
サアラとソフィアは、こうして互いを認め合う関係となった。
次回「和解」は第2部の最終回になります。
1月18日(水)22時10分頃に公開予定です。
どうぞお楽しみに。




