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追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第2部 ヒロインと悪役令嬢
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【本当のサアラⅡ】

「それはおかしいですよ。だってミス・アムロードは()()()()ウィルド殿下の事が好きって訳じゃないですよね。


「!」


図星を突かれたサアラは不覚にも絶句してしまう。

これでは相手の言葉を認めたようなものだ。


実際ソフィアの言う通りである。


サアラ・アムロードがウィルド王太子に好意を(いだ)いているという前提が無ければ、誕生パーティでのサアラの行動は到底説明がつかない。


「好きでもない人が誰からプレゼントを(もら)おうが、普通は関係無いじゃないですか。」


ソフィアの追及はさらに(するど)さを増していく。


「ミス・アムロードが元々そのような人であるというのならば、私も特に疑問には感じなかったでしょう。しかしそうではないはずです。馬術大会の時もそうでしたが、あなたは元々真剣勝負を好まれる方です。そのあなたが平民出身である事を理由に私を糾弾(きゅうだん)するなどという事が、果たしてあり得るでしょうか? どう考えても不自然です。」


「貴族の中には平民に対して優越感を持つ人間は少なくないわ。」


「けれどあなたは違いますよね。決定的だったのは馬術大会の騎馬競争の後です。私の馬が暴走した時に、ミス・アムロードは私を助けようとされていたと、後になって何人もの方からお聞きしました。ミス・アムロードにお(うかが)いします。あなたが本当に平民を(さげす)んでいると言われるのなら一体どうしてそのような事をされたのでしょう?」


『見られていたの!?』


いくら衆目の中とは言え、あの広い競技場内で起こった出来事であり、観客席からも遠く離れていたため、サアラは自分の一瞬の動作の意図(いと)が多くの人に見抜かれているとは考えていなかった。


「あれは、その・・・とっさに・・・」


「とっさに助けようとされたのですよね。ミス・アムロード、はっきり申し上げます。私に厳しい態度を取っていたあなたは本当のあなたではなくて、私を助けようとしたあなたこそが本当のサアラ・アムロードなのではありませんか?」

次回「本当のサアラⅢ」は、1月15日(日)午前0時10分頃に公開予定です。


どうぞお楽しみに。

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