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追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第2部 ヒロインと悪役令嬢
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【ヴェルナー商会】

「ミス・ランストン、これが単なる『お茶会』でない事は理解しました。それであなたの『お話』とは一体何かしら?」


サアラの質問を受けて、今までにこやかだったソフィアの表情が一転し、真剣になる。


「ミス・アムロード、少し長い話で退屈されるかもしれませんが、ご容赦(ようしゃ)下さい。」


サアラが(うなず)くのを確認した彼女は姿勢を正して語り始めた。


「ミス・アムロードはヴェルナー商会をご存知でしょうか?」


「もちろん知っているわ、ヴェルナー商会は有名ですもの。」


「ご存知の通り、私は元々平民でした。貴族になる前の私の名前はソフィア・ヴェルナー。現在のヴェルナー家当主の長女として生まれたのが私です。ヴェルナー商会はクロスリート王国の建国当時から王都の郊外で牧場を経営し、王国で馬を中心とした家畜の販売を手広く(あきな)って参りました。」


原作ゲームではソフィアが平民出身である事までは()かされていたが、ゲームの進行には関係ない平民時代のソフィアの詳しい情報については設定が存在しなかった。だからソフィアがヴェルナー商会の人間であった事は、サアラとしても初めて知る情報だ。


「それにしてもヴェルナー商会と言えば、クロスリート王国でも五本の指に入る大商会です。そこの長女が貴族の養子になるという話が大きな話題にならないはずが無いと思うのだけど、そんな噂は一度も聞いた事が無いわ。」


「それはこの話が極秘だからです。私がソフィア・ヴェルナーの名を他人に明かすのは初めての事になります。ですからこの話はくれぐれも他言無用で願います。」


ソフィアの真剣な表情は、それが一切の冗談を含んでいない事を物語っている。


「私がヴェルナー商会の出自(しゅつじ)であった事は、当事者であるランストン家とヴェルナー家以外では王家しか知らないはずです。」


「極秘である理由を聞いても良いのかしら?」


「『私が持っている魔法能力に関係している』としか今は申せません。幸いヴェルナー家の跡取りとしては弟がいましたので、王家の承認の(もと)、私の養子縁組は成立し、それと同時にランストン家は()()屋敷を王家から拝領(はいりょう)したのです。」

記念すべき50話目にして、物語の核心部が少しずつ明らかになってきました。

ソフィアの出生と魔法の秘密については、いずれ語られる事になります。


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