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追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第1部 悪役令嬢の追放
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【敵の正体Ⅱ】

「それではお前は奴らを王都に入れろと言うのか?」


御意(ぎょい)


「本当に中に入れて大丈夫なんだろうな?」


「恩赦を出したのは陛下御自身ですよ。サアラ様はそれを受けて戻られたのです。入れない方が問題です。」


「・・・分かった、奴らを王都に入れるのは仕方がない。だが万一の場合もある。こちらも騎兵を出せ。」


「・・・承知しました。では私はこれから南門の様子を見て参ります。」


「アラン! 騎兵は完全武装だぞ、いいな!」


(おお)せのままに。」


ようやく国王(ユリウス)から解放され、執務室の外に出たアランは、低い声でつぶやく。


「やれやれ、何とも臆病(おくびょう)なお方だ。そうであるなら最初から危ない橋など渡らなければいいものを・・・」


そして国王(ユリウス)の命令を騎兵たちに伝えるために、王室騎士団の本部に向かおうと一歩を踏み出した時、アランは意外な人物から呼び止められた。


「アラン様」


彼を呼び止めたのは、先程まで一緒に執務室にいた南門の警備隊長だった。


何故(なぜ)ここにいる? 持ち場に戻ったのではないのか?」


「それが最初は戻ろうかと思っていたのですが、南門に今戻っても、王宮からの指示を待つ以外にやる事もないですし、それならば向こうでイライラしながら待つより、今ここでアラン様にご指示を頂けないだろうかと、お待ちしておりました。」


「せっかく待ってもらっていたのに悪いんだけど、今から私自身が南門に行って状況を確認する事になった。だから結論はそれからになってしまうね。」


「そうでしたか・・・分かりました、それでは私も一緒に参ります。」


「いや、それには及ばないよ。それよりも一つ頼みがあるのだが?」


「何なりとお申し付けください。」


「それは頼もしいね・・・なに、簡単な仕事だ。これから正門と裏門に行き、門の外に何も異常が無い様であれば、門を開ける様に伝えて欲しい。全ての大門があまり長く閉じたままだと、混乱が大きくなるからね。」


「分かりました。今からひとっ走り行ってきます!」


「頼んだよ。」


隊長はアランにペコリと頭を下げると、すぐに飛び出していった。


「さて、私も行くとするか。」


アランは今度こそ、王室騎士団の本部に向かうのだった。

次回「歴戦の勇者」は、12月23日(金)午前0時10分頃に公開予定です。


どうぞお楽しみに。

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