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追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第1部 悪役令嬢の追放
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【南門の異変Ⅱ】

「いったい何の騒ぎだ?」


ジョナサンの呼びかけに(こた)えた南門の警備隊長が面倒くさそうに望楼(ぼうろう)に上がってくる。


「隊長!あれを・・・」


ジョナサンが指差す方向を見つめた警備隊長は信じられない光景を目にする。


隊列は今や先頭を進む騎馬が軍旗を(かか)げた完全武装の騎兵である事が()()()()視認(しにん)できる距離まで近付いていた。


のんびり構えていた隊長の様子が一変し、(けわ)しい表情となる。


しかも進んでくる騎兵は一騎や二騎ではない。

少なくとも数十騎の完全武装した騎兵が南門に押し寄せようとしていた。


南門にはそのような集団が来る事など何も知らされていない。


「突破されるぞ・・・」


警備隊長は低い声で()()つぶやくと、(ただ)ちに行動を開始した。


「敵襲! 今すぐ門を閉じろ!」


彼はそう叫ぶと同時に飛び降りるような勢いで望楼(ぼうろう)を下り、全速力で門に向かう。


そして門前に待機していた警備兵を見つけると大声で命じる。


「敵襲だ!! 閉門! 閉門!」


あっけにとられた兵たちが動けないでいるのを見て取った隊長は、全速力のまま門に取り付くと、(みずか)ら率先して門を閉じ始める。


「お前たちもボヤっとするな! 早く手伝え!」


隊長に一喝(いっかつ)され、ようやく我に返った警備兵たちは、手分けして門を閉じていく。


それから3分程で二重の大門が閉じ、巨大な(かんぬき)が通された事を確認した隊長は直ちに馬に(またが)ると、矢継ぎ早に部下たちに指示を出す。


「俺は今から王宮に向かう。お前たちは手分けして他の門に行き、すぐに門を閉じる様に伝えろ。残りの者は望楼(ぼうろう)に上って軍勢の正体を確かめてくれ。正体が分かったらすぐに王宮に知らせるんだ。頼んだぞ!」


そう言い残した隊長は馬に(むち)を入れ、全速力で走り去って行った。

次回「敵襲Ⅰ」は、12月18日(日)22時10分頃に公開予定です。


どうぞお楽しみに。

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