表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第1部 悪役令嬢の追放
32/273

【南門の異変Ⅰ】

三日後、王都南門


クロスリート王国最大の都である王都・オールドリートは馬車や荷車が通れる大門が三つと、人が出入りするだけの小門が四つの、合わせて七つの門で外部とつながっている。


王都にはランドンのような高い城壁は存在しない。


その代わり王都の外周は防衛のための堀で囲まれている。


さらに堀には近くの川から水が引き込まれており、もし敵勢が押し寄せた場合でも、容易には突破出来ない構造になっている。


そして王都の各門には()()水堀を渡るための橋がかけられており、いざという時には橋を落として籠城戦(ろうじょうせん)(のぞ)む事も可能だ。


南門は王都に三つある大門の一つで、交易と防衛の(かなめ)となる重要拠点である。


そのため南門が解放される夜明けから日没までは常に十名以上の警備兵が常駐し、門の警護にあたっている。


その日の朝、南門に勤務する若い警備兵であるジョナサンは、門に隣接する警備兵詰め所の最上階にある望楼(ぼうろう)で早朝の見張り当番を勤めていた。


怪鳥騒動が(おさ)まって以降、王都は平和であり、見張りは正直なところ退屈な任務である。


ジョナサンはあくびを噛み殺しながら、外の様子を監視していた。


『・・・何だあれは?』


ジョナサンが開門と同時に見張りに就いてから、既に1時間ほど経過している。


彼は夜が明けて()()()()明るくなった青空と地平線との境界付近に人馬の隊列を発見した。


まだ距離が遠いため隊列の全貌(ぜんぼう)(つか)む事は出来ないが、かなり大規模な編成である事だけは確かだ。


『外国からの隊商だろうか?』


そう考えたジョナサンは目を()らして隊列の様子を観察する。


隊列はゆっくりと南門に近付いてくる。

彼らがここを目指しているのは明らかだ。


そして更に距離が近づくにつれて、隊列の全貌(ぜんぼう)が明らかになる。

それは100名を超える大集団だった。


『違う・・・これは絶対に隊商なんかじゃない!』


そしてついに軍旗のような旗を(かか)げた騎馬を先頭に、多数の騎馬の存在を確認したジョナサンは顔面蒼白(がんめんそうはく)になった。


彼は王都に(せま)る異変を大声で階下の仲間に知らせる。


「大変だ! 誰か来てくれ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ