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追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第9部 小さなメイド
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【家族の秘密】

『ロビンに真実を話すべきなのだろうか・・・?』


その夜、床に就いたサアラは、グレンダがアムロード家のメイドになった本当の目的について、ロビンに打ち明けるべきかどうかを考えていた。


長姉(グレンダ)の死因について、ロビンが詮索(せんさく)をする()()()を見せたことは、今まで一度も無かった。


だからといって、自分の姉がなぜ殺されなければならなかったのか、気にならないはずが無い。

それは家族であれば当然の感情だ。


だが真実を知れば、ロビンが深く傷つく事は明らかだ。


そしてロビンだけでなく、周りの人間にとっても何一つ良い事にはならないだろう。


だから隠しておくに越したことはないのだが、その一方で最も避けたいのは、サアラたちが何も知らせないまま、ロビンが思わぬ形で真実を知ってしまう事態だ。


そうなるくらいなら、むしろサアラの口から慎重に説明した方が良いという考え方だって成り立つのだ。


サアラは未来の可能性について、冷静に分析する。


まずアムロード家でグレンダの本当の目的を知っているのはエドルとサアラ、さらにアルフレッドとマーサ、そしてもう一人の刺客であったジェシーの5人だけだ。


5人の内、ジェシーに対しては既に口止めをしてある。


残りのメンバーについては口止めの必要すら無く、情報が洩れる心配は()()ありえない。


一番の懸念はリヴェラーノ伯爵側から情報が伝わる事だが、伯爵本人は既に追放されており、王都にはいない。

彼の家族は王都に残っているが、リヴェラーノ伯爵が自ら犯した殺人という犯罪行為を、わざわざ正直に家族に打ち明けているとは思えない。

むしろ彼の性格を考えれば『自分は潔白であり、無実の罪で追放されるのだ』と家族に説明している可能性の方が遥かに高い。


つまりリヴェラーノ伯爵の家族から真実が洩れる心配は限りなく低いという事になる。


『絶対ではないけど、第三者から情報が伝わる心配はなさそうね・・・』


真実を知る事が、必ずしも良い結果を生むとは限らない。


今回の事は、まさにそのケースだとサアラは結論付けた。


「そっとしておくのが一番ね・・・とにかく出来る限り、可能ならずっと秘密のままにしておきましょう。」


考えがまとまった彼女は、安心して眠りにつくのだった。

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