【ロビンの決心Ⅰ】
お嬢様とニーナ様はとても長くお話しをしていたので、私たちが「にしのはなれ」からお屋敷に戻って来たのは、夕方近くでした。
私は通いのメイドなので、暗くなる前に家に帰らなければいけません。
私が帰る支度をしていると、お嬢様がひょっこりやってきました。
「ロビン、今日一日リタのやっている事を見ていて、何か気が付いた事はあったかしら?」
私が「リタさんはいつもお嬢様の事を気にしていて、まるでお嬢様のされたい事が最初から分かっているみたいだった」とお話ししたら、お嬢様はとても驚いていました。
「あなた、自分でそれに気が付いたの!?」
私は正直に「そうです」と答えました。
「凄いわね・・・私の想像を超えたわ。」
私はなぜか、お嬢様にほめてもらいました。
今日はお嬢様のために何のお役にも立てなかったのに、どうしてほめられたんだろう・・・
私は少し不思議な気持ちです。
「家に帰ったらお食べなさい。」
私は今日もお嬢様からお菓子を頂きました。
でも私は別にお菓子が貰えなくたって、サアラお嬢様の事が大好きです。
いつもより少し遅れてお屋敷を出た私は、帰り道を急ぎながら、これからの事を考えます。
一人前のメイドになるのが私の夢でしたが、メイドはみんなが同じ仕事をしているのではなく、いろいろなメイドがいる事が分かりました。
自分がなりたいメイドが決められずに迷っていた私に、リタさんが答えをくれました。
リタさんこそ、私がなりたいメイドだったのです。
いつかリタさんのようなカッコいい侍女になって、大好きなお嬢様をお助けしたい。
私はそう決心しました。




