表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第1部 悪役令嬢の追放
25/273

【王家の秘策】

『どうやら上手くいきそうだ・・・あれを受け取れば王家とて()()()に動かざるを得まい。』


王都屋敷で反撃工作の指揮を()るエドル・アムロードは上機嫌だった。


三侯の合意を取り付けたエドルは、直ちに嘆願状を王家に上申(じょうしん)した。


後は王家の反応を待つばかりである。


そもそもリンデンバーグ侯爵も王家の決定に対して懸念(けねん)を持っており、エドルの提案は「渡りに船」だった。

だからこそ彼は全面協力してくれたのだ。


一方、ブルーム侯爵については予想通り一筋縄ではいかなかった。


ブルーム侯爵の同意はあくまで口約束であり、それを裏付ける証拠は何もない。


だからもし予想外の不都合が起こった場合、彼は知らぬ存ぜぬで押し通すつもりだろう。


それでもブルーム侯爵の立場を考えれば、最大限の譲歩を勝ち取ったといっても良い。


嘆願状の上申(じょうしん)から既に二日、そろそろ何らかの反応があってもおかしくない頃だ。

エドルは(みずか)らの勝利を確信していた。


全てが上手く進んでいるかに見えたその時、執務室のドアがノックされる。

それは(みずか)らの手腕(しゅわん)で三侯合意をまとめ上げ、得意の絶頂にあったエドルに冷水を浴びせかけるような事態の勃発(ぼっぱつ)を告げるものだった。


「侯爵、たった今、王宮より使者が参りました。」


「何事だ? 王家からの呼び出しか?」


「いえ、それが・・・」


「どうした、早く(もう)せ。」


「使者の口上(こうじょう)によると、王家は本日恩赦(おんしゃ)()り行ったとの事。」


恩赦(おんしゃ)だと・・・まさか!?」


最初は(いぶか)しげな表情だったエドルの顔色が、ハッとしたように急変する。


「こちらが恩赦(おんしゃ)の対象者になります。」


「貸せ!」


エドルは書状をひったくるように奪い取ると、そこに(しる)された名前に目を走らせる。


全ての名前を確認したエドルは顔を上げ、呆然(ぼうぜん)とした表情で(つぶや)く。


「してやられた・・・王家の狙いは最初から恩赦(これ)か!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ