【小さなメイドⅠ】
私の名前はロビン。
お姉ちゃんが働いていたお屋敷で働き始めた13歳の見習いメイドです。
・・・本当は13歳になるのは来年だけど、お屋敷のみんなには内緒です。
私が働くアムロード家のお屋敷は、王様のお城のすぐ近くにある、とても立派なお屋敷なんだ。
アムロード家のお屋敷に初めて来た時は、あまりの大きさに本当にびっくりした。
まるで本当のお城みたい。
そしてお屋敷には私の他にもたくさんのメイドが働いています。
だけどこの屋敷には奥様がいません。
だから私たちがお仕えするのは旦那様のエドル様と、お嬢様のサアラ様だけです。
でも旦那様は昼間はあんまりお屋敷にはいなくて、夕方くらいに帰ってきます。
サアラお嬢様も外へ出かけるけど、お屋敷にいる事が多いかな。
お嬢様は旦那様がいない間にお客様が来ると、そのお相手をするので、お屋敷にいる間も結構忙しいみたい。
サアラお嬢様は、他に誰もいない時に内緒でお菓子をくれたりする、とっても優しいお方です。
お嬢様は私に「後でお食べなさい」と言って、お菓子を渡してくれるけど、私は食べずに家に持って帰ります。
もらったお菓子は、家で私の帰りを待っている弟や妹へのおみやげにすると決めているんだ。
弟や妹は今までお菓子なんか食べたことが無かったから、いつも大喜びで食べてくれる。
私も自分が食べてしまうより、弟や妹が喜んでくれた方がずっと嬉しい。
私たち家族が頼りにしていたお姉ちゃんはもういない。
だから死んでしまったお姉ちゃんの代わりに、今度は私が頑張らなくちゃ!




